“開発者エクスペリエンス”を下げないための5つのヒント【後編】
“モチベーションの低い開発者”のやる気を引き出すためのヒント
開発者の満足度を下げないために、どの企業でも共通して「やってはいけない」ことがある。それを避けるためのヒントを3つ紹介する。
前編「“開発者の満足度”が低いと顧客満足度も下がる? 快適な職場を用意する方法」は、開発者の業務体験「開発者エクスペリエンス」を向上させることの重要性と、開発者エクスペリエンスを下げないためのヒントを2つ紹介した。後編は、残る3つのヒントを紹介する。
ヒント3.雑然としたシステムの利用をやめる
企業は開発ニーズを満たすために、複数の技術が混在する雑然としたシステムを使うことで不利益を被っている可能性がある。混在する技術が連携して動作することを確認するだけでも、開発チームは多大な労力と時間を割かなければならない。そのための時間は、本来であればビジネスにおいてより重要度の高い取り組みや、戦略の検討に費やすべきものだ。
最先端の開発チームは複雑に絡み合ったシステムを手放し、新たなシステムへと移行している。開発チームは、必要な機能を併せ持つ1つの開発ツールを選択できる。API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使って外部へのオープン性を確保し、他ベンダーのサービスを開発ツールに接続したり、特定のニーズに合わせて開発ツールをカスタマイズしたりすることも可能だ。
ヒント4.学習や能力開発に使える“余裕”を与える
複雑な仕組みを利用することで開発者の作業負荷は高まる。これは不要なコストを発生させる。技術は日々変化している。新しい方法論や開発ツールを開発者に提供するのは、ビジネスリーダーの責任だ。加えて、絶えず進化を続ける脅威へのセキュリティ対策、欧州連合(EU)の「一般データ保護規則」(GDPR)をはじめとしたデータ保護規制への対処に至るまで、開発チームにはさまざまな責務が課せられている。ビジネスリーダーは、そのための教育の重要性を見過ごすことはできない。
モバイル端末、クラウドコンピューティング、AI(人工知能)技術の登場から普及までを振り返って考えると、企業は新しい技術に対する立場を「それが必要なのはなぜか」から、「まだ取り入れていないのはなぜか」へと急速に変えてきた。健全な企業は、開発者が腕を磨けるような職場や研究のために機会を提供している。これによって開発者には、新しい技術を調査するために頭を切り替える余裕が生まれる。
併せて読みたいお薦め記事
システム開発関連の注目記事
ヒント5.コミュニティーの力を過小評価しない
他のチームと同様、開発者チームもコラボレーションの価値を認め、相互に学び合う機会を大切にしている。開発者コミュニティーを運営するDevadaが開発者を対象に実施した調査レポート「2019 State of the Developer Report」によると、開発者の94%は、少なくとも1つの開発者コミュニティーに積極的に参加しており、88%はITベンダーが独自のオンラインコミュニティーを設立することを期待している。
コミュニティーの価値は、トラブルシューティングやテクニカルサポートだけにとどまらない。社外の開発者と情報交換をすることで、取り組んでいる課題への解決方法に多種多様な視点がもたらされる。
最後に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響を無視することはできない。世界中の企業が、新しい技術とプロセスを使ってテレワークを促進する創造的な方法を探している。カスタマーエクスペリエンス(CX)の刷新を目指す企業にとって、開発チームの働きやすさの確保は最優先事項だ。現行のやり方が限界を迎える前に、今こそ行動を起こすときだ。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
2
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
5
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
6
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
7
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
8
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
9
「有線LAN環境」に関するアンケート
-
10
AWS障害でも補償ゼロの衝撃 サイバー保険で情シスが見落とす「細則の壁」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー