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SNSを生かした顧客コミュニケーション 成功業界の「うまいやり方」とは?パンデミック後のCX【後編】

SNSで顧客とのつながりを維持することは重要だが、問題解決に時間がかかることは好ましくない。SNSでのコミュニケーションを手際よく効率的に進めている業界と、そうでない業界の違いとは。

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 前編「“待てない消費者”をどう満足させるか 『CX』の勝ち組企業になる条件」は、コミュニケーションAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)ベンダーTwilioが2021年11月に発表した調査結果を紹介した。この調査結果は、同社が2021年9月、2000人以上の消費者を対象に実施した調査を基にしている。

 同調査結果によると、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)における顧客応対時間については、2020年7月から2021年7月までの間にさまざまな業界で大幅な改善が見られる。消費者金融業界は応対時間を60%短縮した。具体的には、2020年に259分だった初回の平均応対時間が2021年には103分になっている。

SNSで顧客応対の効率化に成功した業界と、そうでもない業界

 電気通信事業者も同様に応対時間を短縮させている。2020年に306分だった平均応対時間が2021年には153分になった。スーパーマーケットを含む小売業者でも応対時間が29%短縮されており、2020年に397分だった応対時間が2021年には283分になっている。

 その他の業界で2020年から2021年の間に短縮された応対時間の割合は1〜12%にすぎない。特に電気通信事業者の顧客エンゲージメント(顧客との結び付き)に対する消費者の評価は厳しい。電気通信事業者のオンラインカスタマーサービスを「良い」と評価した顧客は3%にすぎない。航空会社やホテルも同水準の低評価だ。

 パンデミック(感染症の世界的大流行)は、消費者の行動と期待にも影響している。以前はオンラインサービスを利用しなかった消費者が、考え方を変化させているのだ。オンラインへのシフトはパンデミックが終息した後も継続する可能性が高いと考えられる。

 Twilioの調査は、企業に対する消費者の認識に、さまざまな要素が作用していることも明らかにした。パンデミックによって小売業者や企業とのコミュニケーションに期待することが変化したと答えた消費者は、半数以上に上る。消費者の約15%は企業の連絡窓口が1つであるのが望ましいと考え、10%は自分の好きな方法で連絡できるのが望ましいと考える。企業とのコミュニケーション方法に関して「柔軟性の向上」を求めている消費者は18%を占める。

 コミュニケーションの感情的側面を重視する消費者もいる。消費者の12%は企業とのコミュニケーションにさらなる共感を求めている、企業とのコミュニケーションにおいて、「自分のことを理解し、自分の話に耳を傾けてくれている」と感じられることを重視する消費者は10%だった。

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