Oracleの電子カルテ大手Cerner買収が“お得過ぎる”理由 打倒AWSにも効果か:Cerner買収から見えるOracleのクラウド戦略【中編】
電子カルテ(EHR)ベンダーのCernerを約283億ドルで買収するOracle。この買収は、Oracleがクラウドサービス市場での攻勢を強める上で重要だと専門家は指摘する。それはなぜなのか。
Oracleは電子カルテ(EHR:電子健康記録)大手のCernerを約283億ドルで買収する。前編「Oracleが『電子カルテ』ベンダーを買収する“なるほどの理由”」に続く本稿は、OracleにとってCerner買収にどのようなメリットがあるのかを整理する。
Cerner買収はOracleにとって“二重の喜び”だった?
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今回の買収はOracleにとって「二重の喜びになる」と、調査会社Constellation Researchのアナリストであるレイ・ワン氏は言う。CernerがクラウドサービスにおけるOracleの競業である、Amazon Web Services(AWS)のユーザー企業だったからだ。
「Cernerを買収することで、Oracleは業務アプリケーションのラインアップをより充実させると同時に、AWSから顧客を奪うことができる」。IDCのクラウド&エッジインフラストラクチャサービス担当リサーチバイスプレジデントを務めるデーブ・マッカーシー氏は、こう話す。Cernerの買収は「Oracleがクラウドサービス市場で競争優位性を保つために、それだけ多額の投資をしていることを意味する」とマッカーシー氏は続ける。
OracleはCernerのEHRシステムのインフラとして、Oracleのクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」を利用する意向を示している。「CernerのEHRシステムを『Oracle Generation 2 Cloud』で稼働させる」。Oracleのバーティカル・インダストリー担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるマイク・シシリア氏は、こう説明する。Oracle Generation 2 Cloudは、Oracleの最新クラウドサービスが利用できる、大企業向けのクラウドデータセンターだ。
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