AWSの必修用語「リージョン」「アベイラビリティゾーン」「ローカルゾーン」の違いとは?:AWSの「リージョン」と「アベイラビリティゾーン」(AZ)の基礎知識【前編】
AWSはユーザー企業が「リージョン」「アベイラビリティゾーン」「ローカルゾーン」を選択できるようにしている。いずれの言葉もAWSのデータセンターの所在地を指す言葉だが、細かい意味は異なる。何が違うのか。
IaaS(Infrastructure as a Service)そのものはクラウドサービスだが、IaaSのインフラは物理的なデータセンターだ。IaaSのデータセンターの所在地は、IaaSで稼働させるワークロード(アプリケーション)のデータ通信速度や回復力、IaaSの利用料金に影響する可能性がある。データセンターの所在地を選択することを軽視してはいけない。
クラウドベンダーのAmazon Web Services(AWS)は、ワークロードを運用するデータセンターの所在地を、ユーザー企業が指定できるようにしている。AWSのデータセンターの所在地は、「リージョン」と「アベイラビリティゾーン」(AZ)の2種類に分けられる。AWSのリージョンとアベイラビリティゾーンは何が違うのか。
リージョンとは
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リージョンという概念を理解する
AWSのリージョンは「米国北東」「西ヨーロッパ」など、特定の地域に存在するデータセンターの集まりを指す。ユーザー企業はワークロードのインフラとして、自社の所在地と地理的に近いリージョンを選ぶことで、データに素早くアクセスしたり、データ通信時間を短縮したりできるようになる。
各リージョンには複数のアベイラビリティゾーン(詳細は後述)が含まれる。各アベイラビリティゾーンは、それぞれが属するリージョンを選択すると利用できるようになる。1つのリージョンにある複数のアベイラビリティゾーンを使用できるが、リージョンが異なるアベイラビリティゾーンを同時に使用することはできない。
アベイラビリティゾーンとは
アベイラビリティゾーンは1つのリージョンに存在する、1つまたは複数のデータセンターを指す。各アベイラビリティゾーンは、他のアベイラビリティゾーンから独立して稼働している。そのため1つのアベイラビリティゾーンで障害が発生しても、他のアベイラビリティゾーンには即座には影響しない。複数のアベイラビリティゾーンを使用することで冗長性と信頼性が高まり、災害対策(DR)に適したインフラが構築できる。
ローカルゾーンとは
AWSは「AWS Local Zones」というサービスを提供している。AWS Local Zonesは人口が手中している場所や産業の中心地で、AWSのデータセンターを提供するサービスだ。このデータセンターを「ローカルゾーン」と呼ぶ。ボストンやロサンゼルスなど、リージョンより局所的かつオフィス街に近い地域を選択できる。ユーザー企業は自社の所在地に近いローカルゾーンを選択することで、より低遅延なデータ通信が可能になったり、コンプライアンス要件を満たせたりするといったメリットが得られる。
リージョンとアベイラビリティゾーン、ローカルゾーンを混同してはいけない。ローカルゾーンだけでワークロードの冗長性を高めることは難しい。ローカルゾーンは、比較的狭い地域にワークロードのエンドユーザーが集中する場合に有益だ。
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