AWSの可用性を確保する方法とは?:AWSの障害対策における4つのポイント【前編】
適切なデータ保護と復旧の対策は、障害が起きる前に講じておかなければならない。「Amazon Web Services」(AWS)の障害に備えてやるべきことは幾つかある。主要な対策を紹介しよう。
パブリッククラウドの障害は、いつか必ず発生する。そのためIT部門は、クラウドの障害に備えておかなければならない。
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データセンターの機能停止やクラウドインフラに対する攻撃など、パブリッククラウドはさまざまな形で障害が起きる恐れがある。Amazon Web Services(AWS)の同名パブリッククラウドは高い回復性を備えるとはいえ、ダウンタイム(サービス停止)が時折発生している。例えば2019年には米国東部(バージニア北部)リージョン(地域)と欧州(フランクフルト)リージョンで障害が発生し、それが原因で一部のユーザー企業のデータを失っている。
AWSのユーザー企業のIT部門は、AWSの障害に備えて多くの手段を講じることができる。少なくともパブリッククラウドとプライベートクラウド、オンプレミスを組み合わせたハイブリッドクラウドや、複数のパブリッククラウドを利用するマルチクラウドの構築を進めて、ミッションクリティカルなデータのバックアップコピーを取得し、それらを複数のリージョンや他のパブリッククラウド、オンプレミスのITインフラに保存する必要がある。
単純なバックアップをするだけでも、障害の影響を軽減することは可能だ。だが障害が起きても確実にアプリケーションの運用を継続するには、追加の対策も必要になる。前後編にわたり、AWSを中心としたパブリッククラウドの障害に備えるためにIT部門が講じるべき対策を4つ説明する。
目次
- 1.可用性を確保する(会員限定)
- 2.データの種類と重要度を評価する(後編で紹介)
- 3.「RPO」「RTO」など復旧計画に適用する指標を確立させる(後編で紹介)
- 4.障害からの復旧の訓練をする(後編で紹介)
可用性を確保する
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