AWS、Azure、GCPの「クラウドストレージ」を比較する3つのポイント:コストとパフォーマンスを最適化
パブリッククラウドのコストとパフォーマンスを最適化する上で重要な要素が、クラウドストレージの選択だ。IT管理者ならば適切なクラウドストレージの選び方を熟知しておく必要がある。そのためのヒントを紹介する。
主要パブリッククラウドである「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)、「Google Cloud Platform」(GCP)は、さまざまな規模、種類のクラウドストレージを用意している。IT管理者がクラウドストレージを選定する上で注目すべき要素は、パフォーマンスやコストの管理、データ保護などだ。重要なデータを確実に保管できるクラウドストレージを選択するための、3つのヒントを紹介しよう。
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ヒント1.パフォーマンスの監視と管理
クラウドストレージのパフォーマンスは、それを利用するアプリケーションのパフォーマンスに大きく影響する。クラウドストレージでどのストレージクラス(スペックや冗長性で分類したサービスタイプ)を選択するかは、パフォーマンスの面で重要だ。自社の要件に合うストレージクラスを見つけるには、各ストレージクラスに特有のメリットと制約を評価することが欠かせない。
レイテンシ(遅延)をできる限り短くする必要があるアプリケーションでクラウドストレージを利用する場合、AWSのオブジェクトストレージ「Amazon S3」の「標準」や、GCPのオブジェクトストレージ「Google Cloud Storage」の「Multi-Regional Storage」といったストレージクラスが適している。レイテンシの要求が頻繁に変化する場合、別のストレージクラスを選んだ方がよい。
クラウドストレージで障害が発生すると、アプリケーションが機能しなくなる恐れがある。クラウドベンダーはクラウドストレージの使用容量とパフォーマンスの指標を確認できる監視ツールを用意しており、パフォーマンスの最適化に役立つ。こうした監視ツールにはAWSの「Amazon CloudWatch」、Azureの「Azure Monitor」、GCPの「Stackdriver Monitoring」などがある。これらの監視ツールから得られる洞察を利用して、アプリケーションのデータをより近くのデータセンターで保管するかどうかや、アプリケーション設計の変更が必要かどうかを見極める。
ハイブリッドクラウドの環境では、オンプレミスのデータセンターとパブリッククラウド間の接続を高速化するツールが必要になる場合がある。この種のツールは一般的にバックアップと障害復旧(DR)時のリストアに使用される。例えばハイブリッドクラウドストレージを構築するAWSの「AWS Storage Gateway」やAzureの「StorSimple」などがある。
オンプレミス環境とパブリッククラウドを専用線によってプライベート接続する選択肢もある。その際には、AWSの「AWS Direct Connect」、Azureの「Azure ExpressRoute」、GCPの「Cloud Interconnect」などの専用線サービスを選択する。
ヒント2.コスト削減に向けた不要データの消去
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