「ゲーミフィケーション=楽しい」は幻想? アプリ開発の“泥臭い現実”とは:ゲーミフィケーションをビジネスに組み込むこつ【第2回】
「ゲーミフィケーションアプリは楽しいもの」というきらびやかなイメージが先行しがちだ。だが専門家は「開発の裏側には“ありふれた苦労”が存在する」と警告する。
ゲーム以外の活動にゲームの仕組みを利用する「ゲーミフィケーション」という単語は、ある意味で誤解を招く。ゲーミフィケーションは「ゲーム」という言葉を含むものの、真剣な目標を持つ真剣なビジネスの手段だからだ。あらゆるアプリケーションと同様に、ゲーミフィケーションアプリケーションについても、企業は活用の目標を定め、成功を測定する手段を用意し、エンドユーザーを特定し、そのエンドユーザーを成功に導く動機は何なのかを理解する必要がある。
「ゲーミフィケーションは楽しくない」と専門家は警告 その真意は
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連載:ゲーミフィケーションをビジネスに組み込むこつ
ゲーミフィケーションのビジネス活用
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ゲーミフィケーションは「魔法のようなものであり、娯楽や楽しみになると思われがちだ」と調査会社Gartnerのアナリスト、ブライアン・バーク氏は話す。実際の楽しさは「それほどでもない」とバーク氏は認める。だが少なくとも企業はエンドユーザーに対して、ゲーミフィケーションアプリケーションを使う気にさせなければならないというのが、同氏の考えだ。
「開発者はエンドユーザーの学習の助けになるモデルを選ぶ必要がある」とバーク氏は話す。例えば以下の点を考慮する必要がある。
- 共同作業が求められるゲームなのか、それとも競い合うゲームなのか
- マルチプレイヤーゲームなのかどうか
- キャンペーンは継続するのか、それとも終わりがあるのか
- エンドユーザーは新しいスキルを習得する旅に出るのか、より野心的な構想に基づいて企業文化を変える旅に出るのか
これらのアイデアは、アプリケーションがエンドユーザー自身の目標を達成する動機付けになる。うまくいけば、目標の幾つかは企業の目標に重なる。こうしたアイデアを実現するには、開発者はアプリケーション設計に行動心理学の要素を取り入れる必要があり、実現は難しい。バーク氏は、小規模なパイロット運用から始めて、テストを繰り返すことでゲーミフィケーションアプケーションを進化させることを推奨する。
第3回は、ゲーミフィケーションアプリケーションを開発する際のプロダクトマネジメントについて解説する。
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