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メガクラウドは“史上最悪の酷暑”に耐えられるのか? GCPやOCIで起きたこと気候変動がクラウドデータセンターにもたらす影響【前編】

2022年7月、英国で観測史上初となる40度以上の気温を記録した。大手クラウドベンダーのデータセンターでは、この熱波で何が起こったのか。GoogleとOracleのデータセンターを例に、その影響を探る。

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 英国では2022年7月19日(現地時間、以下同じ)に、観測史上初めて気温が40度を超えた。記録的な熱波で、大手クラウドベンダーの英国内のデータセンターでは問題が発生した。

記録的熱波でクラウドデータセンターはこうなった

 Googleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」では、ロンドンにあるリージョン(地域データセンター群)「europe-west2」で冷却システムの障害が発生し、20日に解消した。同社のWebサイトによると、この障害で仮想マシン(VM)サービスの異常終了が生じ、一部のユーザー企業が影響を受けた。Googleはユーザー企業に対し、この障害が続く間は、問題を回避するためにワークロード(アプリケーション)を欧州にある他のリージョンに移して再起動することを勧告した。

 OracleのWebサイトによると、同社のクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)でも、ロンドンにある「UK South」リージョンの冷却インフラが猛暑の影響で影響を受けた。同社はハードウェアの温度上昇に伴う故障を防ぐために、一部のインフラの電源を切った。「ユーザー企業に長期的な影響が出る可能性を抑えるために、この措置を講じた」とOracleは説明する。

 障害が起きている間、Oracleのユーザー企業は、UK Southリージョンで稼働するOCIサービスを利用できなくなった。Oracleは障害が起きた原因として「季節外れの気温」を挙げている。障害は同月20日に解消した。


 後編は、気候変動がITベンダーに及ぼす影響を説明する。

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