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“プログラミング女子”は「ハッカソン」では増えない――女性エンジニアが断言当事者が語る「女性開発者の増やし方」【後編】

ゼニア・キム氏は、ソフトウェア開発者として働いている女性だ。自身の経験を基にキム氏が考える、女性ソフトウェア開発者を増やすための施策とは何か。

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 ゼニア・キム氏は、バックアップソフトウェアベンダーAcronisでデータベースの設計やAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)の実装を担当している。キム氏が所属する開発チームは14人編成で、そのうち女性の開発者は3人だ。この状況において同氏は、「職場で男女差別に直面したことはない」と述べる。同氏はセキュリティ関連団体Association of Information Security Professionals(AiSP)で、セキュリティ分野における女性の活躍を推進する「Ladies in Cyber」のメンバーを務める。

 男性優位の開発チームの中で、脇に追いやられている女性がいることを、キム氏は認識している。若いうちに女性にプログラミングを教えて、より多くの優れた女性エンジニアを増やす――。こうした理想を実現するために、できる取り組みがもっとあると同氏は考えている。

プログラミング女子を増やすなら「ハッカソン」よりも“あれ”をやるべし

 女性の間にコーディングを広めるために、複数の開発者がアイデアや技術を持ち寄ってアプリケーションを開発するイベント「ハッカソン」を実施する企業がある。だがハッカソンは効果的ではないとキム氏は考える。その理由は「多くの若い女性は、コーディングにおける初めの一歩を踏み出したいとさえ思っていない」(同氏)からだ。「ハッカソンの参加者は既にスキルを持っている。そのため、まずは若い女性をプログラミングに慣れさせる方が重要だ」と同氏は述べる。

 開発チームのダイバーシティー(多様性)の改善に取り組もうとする企業に対して、ソフトウェア品質保証など、女性比率が高い傾向のある他の技術職の女性をトレーニングすることをキム氏は提案する。「そこからソフトウェア開発の道に進む可能性がある」(同氏)からだ。

 女性開発者として成功するために必要なことについて、キム氏は「批判に寛容であるべきだ」と述べる。「自分の書いたソースコードに、他人が意見を言うことがある。それを『女性だから言われた』と考えてはいけない。自分の仕事に対する意見であって、女性だからではない」

 キム氏は、管理職に就くか、開発者としてスペシャリストの道を歩み続けるかを判断する時期に差し掛かっている。スペシャリストになるのか、グループリーダーになるのかを決めなければならない。「管理職になるとコーディングする機会が減るので、まだ決めかねている」と同氏は語る。

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