「古いバックアップシステム」は“危険だ”としか言えない理由:古いバックアップシステムに潜む危険【前編】
Cohesityの調査によると、およそ半数の企業がバックアップや復旧に古いシステムを利用していた。同社はこの状況に警鐘を鳴らしている。その理由とは。
バックアップツールベンダーCohesityの調査では、約半数の回答企業がデータのバックアップと復旧に、10年以上前に設計した古いシステムを使用していることが明らかになった。同社はこの状況に警鐘を鳴らしている。
「古いバックアップシステム」が危険な理由
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調査は米国、英国、オーストラリア、ニュージーランドの企業に勤務するITとセキュリティの意思決定者約2000人を対象としており、2022年4月にCohesityの委託先である調査会社Censuswideが実施した。
驚くことに、回答者の46%が「2010年以前に設計されたバックアップシステムと復旧システムを利用している」と答え、約5%が1990年代のシステムを利用し続けていた。
近年、複数のクラウドサービスを併用する「マルチクラウド」や、クラウドサービスとオンプレミスシステムを併用する「ハイブリッドクラウド」でシステムを運用する企業の動きが広がっている。データの保存先に関する回答割合は以下の通り。
- オンプレミスシステム:41%
- パブリッククラウド(リソース共有型の利用形態):43%
- プライベートクラウド(リソース専有型の利用形態):53%
- ハイブリッド構成(オンプレミスシステム、パブリッククラウド、プライベートクラウドのうち複数を併用):44%
バックアップや復旧に古いシステムを用いると、運用形態の多様化に伴う課題に対処できなかったり、クラウドサービスが提供するデータ保護の新機能を利用できなかったりする場合がある。年月の経過とともに構造化データと非構造化データの量が膨大になれば、古いシステムではそのデータの量やファイル形式に対処できない可能性もある。
古いバックアップシステムは、サイバー攻撃がもたらす脅威、特にランサムウェア(身代金要求型マルウェア)が関わる脅威に対処するように設計されていない。これは、攻撃への対処能力の低下につながる。調査では回答企業の60%近くが、自社のITチームとセキュリティチームが効果的に連携して攻撃に対処できるかどうかについて懸念を示している。
Cohesityでオーストラリアおよびニュージーランド担当マネージングディレクターを務めるマイケル・アルプ氏は、次のように警告する。「自社が、古いシステムを用いて重要なデータを管理している場合、ITチームやセキュリティチームは警鐘を鳴らすべきだ」
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