NVIDIAやAMDではなく「IntelのGPU」が面白い:CPUからファウンドリーまでIntelの新構想【第2回】
CPUベンダーとして一時代を築いたIntelが、「GPU」のラインアップ拡充に本気だ。同社はGPUで明らかに“攻め”に出ている。その中身とは。
NVIDIAやAdvanced Micro Devices(AMD)といった競合の陰で鳴りを潜めていたIntelは、製品群を急速に充実させている。コンシューマー分野からデータセンター分野まで、そのラインアップは興味深い。GPU(グラフィックス処理装置)をはじめ、特に注目の製品とその理由を紹介する。
時代は「IntelのGPU」
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半導体とIntel関連のトピック
Intelは、GPUを同社の重要な成長分野に位置付けている。同社のデータセンター向けGPU「Intel Data Center GPU」(コードネーム「Ponte Vecchio」)のユーザー組織に、エネルギーなどの基礎・応用化学の研究を手掛けるArgonne National Laboratory(アルゴンヌ国立研究所)がある。同研究所はスーパーコンピュータ「Aurora」に、Intel Data Center GPUを搭載したサーバーブレード(サーバ機能を搭載する回路基板)を利用する。
競合のAMDやNVIDIAに対抗して、Intelは単体GPUで勝負に出ている。それは同社の単体GPU「Intel Arc」のラインアップからも明らかだ。新たに発売した単体GPU「Intel Arc A770」は、ビデオゲーム用途で解像度1440p(2560×1440ピクセル)のグラフィック性能を実現する。
Intel Arcはビデオゲームのグラフィック性能を高めることと、価格を抑えることに重点を置いている。「Intel ArcがIntelの説明通りのグラフィック性能を発揮するとしたら、ゲーマーにとっての選択肢は、これまでよりもずっと面白いものになる」。ITコンサルティング会社Pund-ITでプレジデント兼プリンシパルアナリストを務めるチャールズ・キング氏はそう語る。
AI(人工知能)技術を使ったコンピュータビジョン(コンピュータが画像や映像から情報を読み取ること)向けのツール群「Intel Geti」の発表にも、Intelの強い意向が表れているという。コンピュータビジョンはIntelの競合企業が地歩を固めつつある分野だ。「Intelはここでも技術市場を譲り渡すつもりはないという意向を表明している」(キング氏)
Intel Getiは、データのアップロードやアノテーション(データへの情報付加)、機械学習モデルのトレーニングなどを単一のユーザーインタフェースで実施できるようにする。企業内の誰でも機械学習モデルを開発できるようにすることに主眼を置いたツールだ。「機械学習モデルの開発時間、専門知識の習得時間、コストの削減につながる」とIntelは説明する。
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