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大手ビールメーカーが「メタバース」と「AI」を使うのは何狙い?ビールメーカーのデータ活用【中編】

大手ビールメーカーのHeinekenは、「メタバース」「AI」といった先進的な技術を活用したさまざまな取り組みを実施している。幾つかの事例を紹介する。

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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)をきっかけにして、デジタル技術が果たす役割の重要性が増した。企業はコラボレーションツールを導入し、従業員は自宅で働きながら、オンラインで同僚や取引先企業、顧客とコミュニケーションを取れるようになった。

 大手ビールメーカーのHeinekenも、デジタル技術を活用する企業の一つだ。同社はメタバース(3次元の仮想空間)や人工知能(AI)技術を用いたさまざまな取り組みを実施している。

Heinekenが「メタバース」「AI」を使う狙い

 マレーシアの人々はロックダウン(都市閉鎖)や外出制限の影響で、日々通っていた屋台に行けなくなった。Heinekenはこのような状況に目を付け、メタバースで屋台を再現。メタバースのユーザーが料理やビールの注文をしたり、配達サービスを利用したりできるようにした。同社は欧州でも同様の取り組みを実施している。現実世界でビールを楽しむことの重要性を訴求するため、メタバースで新作ビール「Heineken Silver」を発表した。

 HeinekenはAI技術がビジネスの成功に不可欠になると想定し、さまざまな場面でのAI技術活用を検討している。新技術の導入によって迅速に価値を生み出せるようにするのが最良の道、というのがHeinekenの姿勢だ。

 「Heinekenはバリューチェーンのさまざまな部分でAI技術を搭載したIT製品を使用しており、それらのIT製品は迅速に結果を出している」と、Heinekenのデータ管理担当ディレクターを務めるエリザベス・オスタ氏は話す。「有望な技術を探し、どうすれば当社のニーズに合うように応用できるのかを考えている」(同氏)

 HeinekenのAI技術活用の例は以下の通りだ。

  • 製造過程のビールの色を予測
  • 顧客訪問時の最適な経路や、最適な店舗の品ぞろえなどを分析し、営業チームに提案
  • バーの冷蔵庫を撮影した写真を基に、最適なプラグラム(棚割り計画)の提案
  • ビール樽(だる)の空き状況を予測
  • 財務キャッシュフローを予測

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