HPEが2023年度に「サービス型」でターゲットにする領域は?:NEWS
日本ヒューレット・パッカードが2023年度事業方針を発表。さまざまな製品をサービスとして提供する「Everything as a Service」を介して、ユーザー組織とともに構築していく注力分野を明らかにした。
日本ヒューレット・パッカードは2022年12月9日、2023年度の事業方針に関する説明会を開催した。同社は前年度から引き続き、ユーザー組織におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に尽力するサービスを強化する。
例えばユーザー組織におけるデータのサイロ化(限られた従業員や部署しかデータを閲覧、利用できない状態)を排除し、データから1つでも多くの洞察を導くためのサービスを提供する。プライベートクラウドなどオンプレミスのインフラを従量課金型で提供するサービス群「HPE Greenlake」はその取り組みの中核になる。
ハイブリッドクラウドのニーズが増大
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クラウドへの移行と定着を進めるために
日本ヒューレット・パッカードによると、オンプレミスインフラとクラウドサービスを組み合わせて利用するハイブリッドクラウドの利用ニーズは増大する傾向にあるという。特にそのニーズが高まるのは、病院や教育機関、交通機関など、情報の漏えいや障害の発生によってデータ処理が止まった場合に甚大な社会的影響を発生させる組織だ。こうした組織では、オンプレミスインフラを維持しながら、従量課金などクラウドサービスの利点を取り入れ、データから洞察を導きたいというニーズがあると同社はみている。
このような背景を踏まえ日本ヒューレット・パッカードは、2023年度は「エッジ」「クラウド」「データ」の3領域でHPE Greenlakeを軸に提供するサービスや、「5G」(第5世代移動通信システム)やIoT(モノのインターネット)の分野を強化するという。そのうち代表的な取り組みは以下の通り。
- エッジ
- 自治体や企業といった組織が、自らの敷地内や建物内で5Gネットワークを運用する「ローカル5G」を構築する機能をHPE Greenlakeに追加する。ユーザー組織内のさまざまな拠点で生成されるデータを、ローカル5Gを使ってリアルタイムに処理したり分析したりできるようにする。
- クラウド
- 企業向けのプライベートクラウドサービス「HPE Greenlake for Private Cloud Enterprise」の国内での提供を進める。同サービスは、メモリやストレージの観点から最適化されたインスタンス(仮想サーバ)を、従量課金制の料金体系で提供する。例えば、障害の発生や動作の停止が許されないミッションクリティカルな業務をオンプレミスインフラを使って遂行する上でのデータ管理と、クラウドサービスの利用とを最適な状態で両立させることに活用できる。
- データ
- オンプレミスインフラやクラウドサービスに散在するさまざまな種類のデータの統合を可能にするデータストア「HPE Greenlake for Data Fabric」の国内での提供を開始する計画。HPE Greenlake for Data FabricはHPEがインフラの運用管理を担うフルマネージド型であるとともに、データ分析をローコード(最小限のコード記述)で実現できる。
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