“物静かなメインフレーム担当者”がクラウドに「ノー」を宣告:メインフレームの価値を再考【前編】
メインフレームは、それがなければ先進国の経済の大部分がまひしてしまうほどに重要だが、しばしば批判にさらされる。そうした批判に反論しなければならないときがある。
メインフレームに関わる人は、メインフレームの本当の価値をあまり語らない。そうした“物静かな人”がメインフレームについて何か主張をするのは、根拠のない理由でメインフレームが手ひどくけなされるときだ。筆者の知人は2022年夏、ある理由から、メインフレームへの批判に本気で反論しなければならなくなった。
メインフレーム批判に「ノー」を突き付ける
IBMのメインフレーム「IBM zSystems」シリーズの最新モデル「IBM z16」が2022年夏に発表されたとき、一部の業界関係者からある疑問が投げ掛けられた。
- これによってメインフレームはクラウドに追い付くのか
といった問いだ。
これに対して調査会社Freeform Dynamicsで働く筆者の同僚、トニー・ロック氏は非常に的確に反論した。ロック氏はブログに、
- クラウドはメインフレームに追い付いたのか
というタイトルのエントリ(投稿)を公開した。「メインフレームはクラウドに追い付くのか」という疑問に対するロック氏の答えは当然「ノー」。それどころか、問いの出し方が適格ではなかったことを示唆した。
ソフトウェアベンダーUNICOM Globalの子会社であるMacro 4は2022年11月下旬、メインフレームに関する、ある説明会を実施した。筆者はロック氏と共にその説明会に参加できたことがうれしかった。その説明会では、メインフレームに関する興味深い動向が語られたからだ。
Macro 4はその説明会で、2022年11月に公開した調査結果について報告した。調査はメインフレームユーザー54人を対象に、メインフレームへの今後の投資計画について問う内容だった。それによれば、回答者の83%は、さまざまなモダナイゼーション(最新化)の取り組みを通じて、メインフレームへの投資を継続すると答えた。モダナイゼーションの内容としては、46%の回答者が、クラウドサービスとメインフレームを連携させてハイブリッドクラウドとして利用する、と回答した。
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