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ゲノム解析機関があえて「非サブスクのストレージ」を選択 成果は想定以上にゲノム解析とストレージ【第4回】

フランスの医療協力連合SeqOIAは、膨大な量のデータを処理するゲノム解析用に、新しいストレージシステムを導入した。どのような調達方法を採用し、どういった成果が上がったのか。

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 フランスの医療協力連合(GCS:Groupement de Cooperation Sanitaire)であるSeqOIA(Sequencing Omics, Information Analysis)は、ゲノム(遺伝情報)解析に使用するストレージシステムを刷新した。同機関が選択した調達方法と、新ストレージシステムによって上がった成果を紹介する。

新しいストレージシステムはあえて“非サブスク”

 SeqOIAはストレージシステムの刷新に当たり、複数のストレージベンダーの製品を検討した。同機関が採用したのは、VAST Dataが提供する容量500TBのストレージシステム「Universal Storage」だ。2021年11月にVAST Dataから具体的な提案を受け、それから1カ月もたたないうちでの決定だった。

 月額制のサブスクリプションやリースといった購入しない調達方法が広がりつつある中で、SeqOIAはUniversal Storageを買い切り型で購入した。同機関の予算は年単位で変動するため、サブスクリプションやリースによる予算配分は適さなかった。同機関の情報システム担当ディレクターを務めるアルバン・レルミン氏は、「購入金額には5年間の保守サポート契約が含まれており、その点を重視した」と話す。

 SeqOIAが従来使用していたのは、HDDをベースにしたストレージシステムだった。同機関が新たに採用したUniversal Storageは、1つのメモリセルに4bitを格納する記録方式「クアッドレベルセル」(QLC)のNAND型フラッシュメモリを搭載したSSDを搭載する。

 Universal Storageを利用することで、2つの成果があったとレルミン氏は説明する。ファイルの破損がほぼなくなったことと、ゲノム解析にかかる時間が従来の約25%に短縮したことだ。「政府は2025年までに年間6000件の患者記録を処理するという目標を設定している。2022年は、11月末の時点で既に5500件以上の患者記録を処理できた」(レルミン氏)

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