オープンソースの団体が語る「脱炭素化をかなえる」たった1つの方法:業界横断で取り組む脱炭素化【後編】
脱炭素化のための技術開発に取り組むLF Energyは、変化を起こすために、さまざまな業界に働き掛けてきた。同組織は、脱炭素化を成功させるために何が必要だと捉えているのか。
発電と送電分野でオープンソースソフトウェア(OSS)を活用し、世界の脱炭素化に取り組む非営利団体のLinux Foundation Energy(以下、LF Energy)。同団体は、脱炭素化には“あること”が不可欠だと捉えている。取り組みを成功させるためには何が重要なのか。
脱炭素化の“たった1つの方法”
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連載:業界横断で取り組む脱炭素化
各業界が取り組む環境負荷軽減
2022年10月、LF Energyは新プロジェクトの情報を公開した。その中の一つは、炭素強度や、電力システムから発生する二酸化炭素(CO2)排出量を追跡しやすくする取り組みだ。炭素強度とは、国内で排出されるCO2の量を、発電や転換の過程で生じるエネルギーの総量「一次エネルギー総供給」で割った値を指す。
LF Energyの新プロジェクトには、米エネルギー省(DOE)の国立研究所の一つPacific Northwest National Laboratory(PNNL)が立ち上げたものも含まれる。LF Energyが同プロジェクトを引き継ぎ、次世代電力システムで使用するシミュレーション技術の開発に取り組む。
さまざまな組織が立場を超えて、一丸となって必要な技術を開発すること――。LF Energyの創設者で常任理事を務めたシュリ・グッドマン氏(2023年1月に死去)は、脱炭素化の目標を達成する唯一の方法をこう捉えていた。その上で同氏は「2022年は、エネルギー、IT、学術、政府機関など多様な分野の組織がこのことを理解しつつある」と語った。
グッドマン氏は、LF Energyの新会員となった組織と共に、世界のエネルギーインフラの近代化に向けて技術の開発に取り組むことを楽しみにしていた。「LF Energyは同じ目的を持った会員と共に、化石燃料への依存から再生可能エネルギーの利用に舵を切るエネルギーの転換を加速させ、気候変動が招く最悪の事態を緩和するつもりだ」と同氏は述べた。
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