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「SSDの熱でデータが壊れた」を防ぐ“冷却手段”はこれだSSD「オーバーヒート」の原因と対策【第4回】

過剰な発熱「オーバーヒート」が発生すると、SSDがデータを正しく保持できなくなることがある。基本的な対処法が、SSDの冷却だ。どのような冷却手段があるのか。

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SSD | 半導体ストレージ


 動作中のSSD内部にあるNAND型フラッシュメモリは、発熱を続けることで設計上の最高温度(コンシューマー向けの場合は70℃程度)に容易に達する。過剰な発熱である「オーバーヒート」が発生すると、NAND型フラッシュメモリがデータを保持しにくくなり、データの整合性(正確性や信頼性)が損なわれかねない。ストレージベンダーがSSDに冷却機能を用意するのは、こうした問題に対処するためだ。

 SSDの冷却には、幾つかの選択肢がある。

SSDの“熱問題”を防ぐ冷却手段はこれだ

 コンピュータの筐体(きょうたい)内またはマザーボード(主要部品を搭載したプリント基板)周辺に、適切なエアフロー(空気の流れ)を確保するだけで、SSDの温度を許容範囲内に維持できる場合がある。高速な動作が必要な場合は、放熱を促す冷却用パーツ「ヒートシンク」がSSDの熱を下げる役割を果たす。

 ヒートシンクには、大きく分けて「アクティブヒートシンク」「パッシブヒートシンク」の2種類ある。1つ目のアクティブヒートシンクは、SSDに直接取り付け、ファンで冷却する。2つ目のパッシブヒートシンクは、SSDに取り付けた金属の板を介して、熱伝達によりSSDを冷やす。SSDから発生した熱を継続的に空気中に放散することから「ヒートスプレッダ」とも呼ばれる。

 アクティブヒートシンクと比べて、パッシブヒートシンクには幾つかの利点がある。騒音を発生させるファンを備えないので、かさばりにくい。アクティブヒートシンクよりも安価な傾向がある。パッシブヒートシンクの欠点は、冷却力が固定であることだ。単位時間当たりのSSD発熱量が上がっても、放熱量を引き上げることが難しい。


 次回は、SSDのヒートシンクを取り巻く動きと、適切な冷却方法を選択するポイントを整理する。

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