オープンソースが「世界の共通言語」になれる“他にはない”理由:GitHubのCEOが語る未来【第3回】
GitHubのCEOトーマス・ドームケ氏はAPACを訪れ、開発者に接した。ドームケ氏は開発者の悩みをどう捉え、なぜオープンソースの存在を強調するのか。
トーマス・ドームケ氏は、ソースコード共有サービスを運営するGitHub社(2018年にMicrosoftが買収)のCEOを務める。このほどドームケ氏はアジア太平洋地域(APAC)の主要市場に訪問し、さまざまな人やコミュニティーと交流をした。同氏へのインタビューの中から、“開発者の悩み”に関する題目を取り上げる。話題に出たのは「オープンソース」の存在だ。
言語や教育水準の違いは気にしなくてよい
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―― 世界各地の開発者と交流する中で、彼らの悩みや課題に違いを感じましたか。
ドームケ氏 一般的に、オープンソースは開発者同士の距離を縮めたと思う。オープンソースのコミュニティーが素晴らしいのは、彼らがソースコードを公開することを決めたからという理由だけではない。開発者のコラボレーションのモデルケースとして、オープンソースプロジェクトは他のあらゆる協力関係よりも優れていると私は考える。
なぜならオープンソースプロジェクトは、国籍や教育水準、組織構造などを超えて、開発者がソースコードで会話しているからだ。つまり開発者にとってそうした違いは大した問題ではない。誰かに自分のソースコードを共有して、それに対するフィードバックをもらうという民主的な方法で、協業できている。
人間的な感情が協業の妨げになることもあるが、その中で世界中の何百万人もの開発者が一緒になって進歩を目指している。文化の違いや言葉の壁は無視できない存在であり、英語が苦手な開発者はコミュニケーションに苦労する場合がある。しかし「Google 翻訳」や今後登場が期待されるAI(人工知能)技術を使えば、これらの課題の解決も時間の問題だと言える。
第4回は、ドームケ氏が考える、アプリケーション開発分野におけるAI技術活用の展望を紹介する。
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