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「クラウドは高過ぎるからやめる」と決断する前に見直すべき3つのポイント:クラウドサービスの「エグレス料金」を節約するには【第6回】
クラウドサービスから外部へのデータ転送に掛かる「エグレス料金」が高額になると、クラウドサービスを使い続けることが難しくなる。エグレス料金の高騰を抑えて「脱クラウド」を防ぐために気を付けるべきこととは。
クラウドサービスから外部のインフラにデータを転送する際の「エグレス料金」は、ユーザー企業の予想を超えて高額になることがある。エグレス料金が高額になると、クラウドサービスに移行させたシステムをオンプレミスインフラに戻す「脱クラウド」をせざるを得なくなる可能性がある。こうした事態を防ぐには、どうすればよいのか。
「脱クラウド」の前に考えたい3つのポイント
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連載:クラウドサービスの「エグレス料金」を節約するには
- 第1回:脱クラウドを招く「エグレス料金」とは? クラウド“なぜか高い”の原因
- 第2回:“クラウド好き”でもうんざりする「エグレス料金」はなぜなくならないのか?
- 第3回:クラウド“謎の高額請求”を招く「エグレス料金」がいつの間にか高くなる理由
- 第4回:“クラウド高過ぎ”招く「エグレス料金」は割引プランでもどうにもならない理由
- 第5回:クラウドの“いつの間にか高くなる”「エグレス料金」を全力で抑える3つの方法
エグレス料金がどの程度の水準になったら、クラウドサービスへのデータ保存が経済的ではないと言えるのか。その判断は、システムの種類や扱うデータの価値に左右される。データをクラウドサービスからオンプレミスシステムに戻す場合には、エグレス料金だけではなく、移行に伴う各種コストが掛かることを忘れてはならない。
クラウド管理ツールの改善が進み、データ分析機能が充実しつつある。ただしエグレス料金の分析や予測は、まだ容易ではない。
ユーザー企業のCIO(最高情報責任者)は、エグレス料金を抑えるために何をすればよいのか。コンサルティング企業/国際会計事務所KPMGで、クラウドトランスフォーメーション部門の責任者を務めるエイドリアン・ブラッドリー氏は、そのためには以下の3つの措置があると助言する。
- クラウドサービスを採用する前に、詳細なエグレス料金の予測をすること
- システムの構造を工夫すること
- アプリケーションの機能の一部を別のクラウドサービスに移行させたり、データのコピーを世界中のデータセンターに配置する「CDN」(コンテンツデリバリーネットワーク)を活用したりするなど「一部の要素を再考する大胆さを持つことが重要だ」とブラッドリー氏は説明する。
- クラウドインフラの可視性を確保すること
- ブラッドリー氏によると、どのようなデータを、なぜ転送する必要があるのかを常に明確にすることで、エグレス料金を厳格に管理できるようになる。
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