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フラッシュメモリ“永遠の脇役”「NOR型」がそれでも使われ続ける理由フラッシュメモリ「NAND型」「NOR型」の違い【第5回】

フラッシュメモリの一種である「NOR型フラッシュメモリ」は「NAND型フラッシュメモリ」ほどの知名度はないが、その種別に応じて独自の役割を持っている。NAND型フラッシュメモリとの違いを踏まえて考える。

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 「SSD」やPC内蔵ストレージをはじめ、多彩な用途に使われる「NAND型フラッシュメモリ」は、記録方式や設計の違いによって幾つかの種類に分類できる。それと同じように、もう一つのフラッシュメモリである「NOR型フラッシュメモリ」もより細かく分類が可能だ。NOR型フラッシュメモリの種別と、NAND型フラッシュメモリとの違いとは。

「NOR型」は“有名じゃない”のになぜ必要なのか

 「シリアルNOR型フラッシュメモリ」は、I/O(データの入出力)の信号を少なくし、信号をやりとりするインタフェースとなるピンの数を削減している。連続したデータを高速で読み出す必要のあるアプリケーションに最適だと言える。

 具体的な用途として、シリアルNOR型フラッシュメモリは特定用途の専用機器でよく使用される。例えば以下のような機器だ。

  • シンクライアント(最小限のスペックと機能を備えたクライアントデバイス)
  • セットトップボックス(放送信号を変換して映像として視聴可能にする装置)
  • プリンタ
  • 自動車部品

 「パラレルNOR型フラッシュメモリ」はピン数がより多くなり、シリアルNOR型フラッシュメモリの用途よりも大容量を必要とする用途に適している。例えば以下の用途がある。

  • システムの起動や初期化をするためのプログラム「ブートコード」の格納
  • デジタル一眼レフカメラ
  • メモリカード

NAND型もNOR型も使われ続ける

 NAND型フラッシュメモリはフラッシュメモリの主力製品であり、組み込みシステムのストレージやSSDなど、大容量を必要とするストレージに広く使われている。NOR型フラッシュメモリは、データセットが小規模で高速なランダムアクセス(アドレス指定で目的データに直接アクセスする方式)を必要とするアプリケーションにおいて重要な役割を担う。どちらかがあれば済むわけではないため、NAND型フラッシュメモリも、NOR型フラッシュメモリも、コンピュータやネットワーク、ストレージの設計に欠かせない存在であり続けると考えられる。

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