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新任CIOが店舗視察で見た「老舗ファッションブランドの本質」とは英国ファッションブランドのCIOが語る【第1回】

ファッションブランド「River Island」を手掛けるRiver Island Clothing。1948年に創業した歴史ある同社に入社したCIOが、任務に就くに当たってまず学んだこととは。

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 ファッションブランド「River Island」を手掛ける英国のRiver Island Clothingは、英国で250店舗以上を運営する他、北米や欧州、中東など世界各地で事業を展開している。1948年の創業から73年目の2021年10月、同社はアダム・ウォーン氏を最高情報責任者(CIO)として迎え入れた。ウォーン氏はCIOの任務に就くに当たり、店舗の従業員から“あること”を学んだ。

River Islandの実店舗でCIOが見たものとは

 ウォーン氏は、家電製品の通販サイト「ao.com」を手掛けるAO Worldや、オンライン小売業者N Brown GroupのIT部門で経験を積んだ。「小売業界に20年、IT部門に25年携わってきた」と語る同氏は、小売業界にいたとはいえ、実店舗を扱ったことのない「単なるIT部門の担当者だった」と振り返る。River Islandに入社したことで同氏は、自身の履歴書に大きな「穴」が開いていることに気付いたという。「実店舗を扱ったことがなければ、小売業の従業員を名乗ることはできない」(同氏)

 River Islandに入社したウォーン氏は、実店舗でのショッピング体験に触れる機会を得た。同氏が実店舗を訪れて感動したのは、店舗に対する従業員の考え方だったという。「商品がどのように開発され、どのような価値を持つのかといったストーリーを切り捨てたり、売り場をコストの集合体と見なしたりすることはなかった」。同氏はそのような従業員の在り方を見習い、「店舗への訪問は顧客体験を学ぶための機会」として捉えているのだという。


 第2回は、ウォーン氏が勤務する中で気付いた、River Islandが他の小売業者とは異なる点を探る。

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