特集/連載
無線LANよりも勢いづく「無線WAN」とは? 台頭し始めた“納得の理由”:「無線ネットワーク」を生かし切る【第5回】
オフィスのネットワークとして無線LANの採用が進む中、もう一つの無線ネットワークの利用が広がり始めている。それは「無線WAN」だ。そもそも無線WANとは何なのか。普及の背景とは。
オフィスのLANの主流は、有線LANから無線LANに移行している最中だ。そうした中で近年幾つかの要因が重なり、企業は「無線WAN」(WAN=ワイドエリアネットワーク)を利用するようになっている。その主な要因は何か。そもそも無線WANとは。
「無線WAN」ってそもそも何? 台頭する「5つの理由」
併せて読みたいお薦め記事
連載:「無線ネットワーク」を生かし切る
- 第1回:「無線LAN」は有線LANよりも“安くてうまい”のはなぜ?
- 第2回:無線LANなら「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)を使うべき“これだけの根拠”
- 第3回:無線LANを「W-Fi 6」(IEEE 802.11ax)にするのが“意外と難しい”のはなぜ?
- 第4回:「無線LANは危ないから使ってはいけない」はもう昔話だった?
オフィスネットワークを無線化するヒント
無線WANは、概して無線LANよりも広い範囲での通信を可能にする無線ネットワークだ。無線WANが勢力を拡大し始めた主な理由として、以下が挙げられる。
- WANを仮想化して効率的に管理、制御するための技術「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)の登場
- 「5G」(第5世代移動通信システム)の普及
- クラウドサービスの普及
- テレワークの導入に伴う、大規模な集中オフィスから小規模な分散オフィスへの移行
- 回線料金の体系変更
- 通信事業者はデータ転送量に応じた料金上限や超過料金を設定せず、データ転送量に対する固定料金で利用料金を決めるようになった。
あらゆる規模の企業が、自社のネットワークに無線WANを組み込むようになりつつある。次のステップは、自前または通信事業者の5Gネットワークを活用して、従業員のデバイスが通信できるようにすることだ。通信事業者が提供する5Gサービスを選ぶか、ユーザー企業が通信事業者のパブリックネットワークを部分的に占有する「プライベート5G」を選ぶかにかかわらず、5Gは「4G」(第4世代移動通信システム)よりも通信速度やセキュリティ、クライアントデバイスの同時接続数といった点で優位性を持つ。
次回は、企業が無線ネットワークを採用する上での課題を整理する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.