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世の中には「2種類のシステム」しかない――レガシーか、レガシー以外か:レガシーシステムがなくならない6つの理由【第1回】
魅力的な最新技術が次々と生まれても、レガシーシステムが残り続けるのはなぜなのか。その理由を探る前に、レガシーシステムとは何かを正しく理解する必要がある。レガシーシステムか、それ以外かを分ける条件とは。
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の一環として、既存のシステムを刷新する動きが広がる一方、依然としてレガシーシステムを稼働させ続ける企業は珍しくない。社会や技術が急速に変化する中で、レガシーシステムを使い続けることには限界があり、相応のリスクもある。
レガシーシステムは、なぜなくならないのか。それを読み解くには、まずは「レガシーシステムとは何か」を正しく理解することが必要だ。
「レガシーか、レガシー以外か」を分ける条件とは?
ハードウェア、ソフトウェアを問わず、時代遅れの技術のことをレガシー技術と呼ぶ。その中でもレガシーシステムとは、企業が現在も使用している時代遅れのシステムを指す。
「レガシーシステムは、新しい技術の台頭によって時代遅れになった、もしくは廃れた、企業が長年使ってきたシステムだ」。ITコンサルティング企業West Monroe Partnersのパートナー(最高位コンサルタント)であるジョー・デイビー氏は、レガシーシステムをこう定義する。
システムを時代遅れだと見なす基準は1つではない。一般的に、IT専門家がレガシーシステムの特徴として挙げるのは以下の通りだ。
- ベンダーのサポートが終了した製品など、旧式または古いバージョンの製品で構成されている
- 修正の難しい脆弱(ぜいじゃく)性が存在する
- 最新のシステムよりも運用や維持にコストが掛かる
- 企業が現在抱えるニーズを十分に満たしていない
- 企業の成長を妨げている
- 知名度が非常に低いプログラミング言語で開発されている
次回以降は、企業がレガシーシステムを捨てられない理由を掘り下げる。
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