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業界標準がない「ソフトウェア定義ストレージ」(SDS)を使う場合の注意点SDSの利点と落とし穴【第4回】

SDSにはメリットもあるが落とし穴もある。現状、SDSの仕様は標準化されていないため、実際に企業がSDSを購入する前には幾つかの内容を確認する必要がある。

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 ストレージのハードウェアとソフトウェアを分離する「ソフトウェア定義ストレージ」(SDS)には、メリットとデメリットが存在する。活用する際に注意すべきポイントの一つは、SDSには業界標準の規格が存在しないことだ。

業界標準がないSDS、利用時の注意点は?

 SDSの提供方法は複数あり、ベンダーのマーケティング手法も異なっている。最もシンプルなパターンでは、SDSはソフトウェアのみで提供され、ユーザー企業は任意のx86サーバを選択できる。このようにSDSを単体で販売するベンダーはあるが、実際の提供形態はもっと複雑だ。

 例えば、特定のハードウェアで事前に構成したSDSを提供するベンダーがある。SDSを組み込むハードウェアに自社ブランドまたは提携しているハードウェアベンダーのみを指定するベンダーもある。これは限られたハードウェアに絞ることで、SDSで抽象化する利点と、システムの機能や制御、パフォーマンスを保つためだ。

 SDSの中には、複数ベンダーのハードウェアをサポートし、構成済みシステムまたはリファレンスシステムを提供しているものもある。ただしそういったSDSでも、サポートするハードウェアのベンダーは限られているのが現状だ。

 SDSの購入を検討している担当者は、ベアメタルサーバ(物理サーバ)でSDSが動作するのか、ハイパーバイザーや仮想マシン(VM)で動作するのか、コンテナをサポートするのかも考慮する必要がある。コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を利用できるかどうかもSDSを検討する際のポイントの一つとなる。

 ユーザー企業は分散したストレージに単一の論理的な名称を割り振る「グローバルネームスペース」や、サイバーセキュリティ対策など、目的に応じて技術を選択する。したがって、SDSもユーザー企業の目標を達成するための一つの方法に過ぎない。

 「ハードウェアとソフトウェアが統合されたアプライアンスを望むのか、それとも動作するハードウェアを選ばないSDSを望むのかが、ストレージ導入時の重要な判断になる」と、調査会社Gartnerでシニアディレクターを務めるチャンドラ・ムヒャラ氏は述べる。

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