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「ややこしいクラウド請求額」の“謎”に絡み付くこれだけの要因 複雑になるマルチクラウドの請求管理【前編】

クラウドサービスの請求額はさまざまな要因によって変動するため、とても複雑だ。企業がクラウドサービスの請求を管理するために立ち向かうべき課題と、“請求の複雑さ”の要因を確認しよう

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 クラウドサービスの請求額を管理することは、仮に単一のIaaS(Infrastructure as a Service)、単一のアカウントであっても、価格変動要素が複数あるため困難だ。複数のIaaSで複数のアカウントとなると、請求の管理は飛躍的に複雑になる。

 企業が複数のクラウドサービスを併用する「マルチクラウド」を採用している場合、請求管理に戦略的なアプローチが必要だ。まずは請求を複雑にしている複数の要因を知っておこう。

クラウド請求額“ややこしさ”の謎 その要因とは?

 クラウドサービスの料金表は複雑で解釈が簡単ではない。マルチクラウドになると、料金を把握することは一層難しくなる。請求額は通常、以下のような要因に基づいて複合的に算出される。

  • 稼働時間
  • インターネット上でのデータ転送量
  • 保存するデータ量
  • どのホスト(サーバ)でデータやアプリケーションを処理したか
  • 従量課金制か、定額料金制か
  • どの割引料金プランを受けているか

 コンテナや、コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を利用するとさらに複雑になる。これらのツールや、それを利用したマネージドサービスを企業が利用する場合、無料で利用できる範囲が主要IaaS間で異なり、構成方法によっても価格が変わる。

 コスト監視ツール選びも課題だ。各IaaSベンダーが提供するコスト監視ツールは、基本的にはそのIaaSのコストしか対象にできない。例えば、クラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)においては、コスト監視ツールの「AWS Cost Explorer」や「AWS Budgets」を使って支出を追跡できる。これらのツールは他のIaaSでは使えない。


 後編はクラウド請求管理のためのベストプラクティスを紹介する。

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