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HDDがいくら激安でも“あのコスト”を入れると「SSD」は高くない?SSDがHDDに価格勝負【後編】

SSDとHDDの容量単価の差は縮まってきている。一方でストレージを選定する際は、容量単価以外も比較することが欠かせない。SSDとHDDの具体的な比較ポイントと、それぞれの特徴とは。

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 以前からSSDベンダーは、NAND型フラッシュメモリの価格は長期的に下落し、SSDは容量単価でHDDと競争できるようになると予測してきた。実際、NAND型フラッシュメモリの価格は下落してきた。この傾向は、企業にとっても一般消費者にとってもうれしい傾向だ。ただしSSDとHDDのコストを比較する際は、電力やメンテナンスをはじめとした容量以外の要素にも目を向ける必要がある。

HDDとSDDの比較時に見るべき「あのコスト」とは

 特に大容量のストレージを必要とする企業にとって、1GB当たりの価格は購入する際の重要な要素となる。容量単価に影響する要素の一つとして、記録密度に注目するのもいいだろう。例えばPure Storageのように、高密度のSSDを独自に製造することを重視しているストレージベンダーもある。

 容量単価以外には、エネルギーコストやメンテナンスコストを含めた総所有コスト(TCO)を考慮すべきだ。例えば、HDDは回転ディスクといった可動式の部品を搭載しているため、一般的には消費電力量がSDDより高くなる。読み書き時には数ワット相当の電力を必要とする他、アイドル時も電力を消費する。一方でSSDは、動作時にHDDと同等かそれ以上の電力を消費する場合があるが、通常はアイドル時の消費電力量がHDDよりも少ない。

 一般的にSSD一台当たりの初期費用はHDDよりも高くなる傾向にあるが、メンテナンスコストはHDDよりもSSDの方が抑えられる傾向にある。クラウドストレージベンダーBackblazeは、運用する数十万台のSSDおよびHDDについて、信頼性(システムが提供できるサービスの継続性)に関するデータを公開している。2023年半ば時点でのSSDの年間故障率(AFR)は0.9%であり、HDDのAFRは1.45%だった。

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