マルウェア対策ツールの「今どき」が分かる“注目5製品”はこれだ:マルウェア対策ツール選定ガイド【後編】
巧妙化する脅威に対処するために、マルウェア対策ツールは日々進化している。人工知能(AI)機能を取り入れる製品も珍しくない。注目すべき5製品を紹介しよう。
自社に最適な「マルウェア対策ツール」を選ぶのは簡単ではない。まずはさまざまな製品のメリットとデメリットを把握し、網羅的に比較することが重要だ。本連載は主なマルウェア対策ツール10製品を紹介する。今回は後半の5製品を取り上げる。
今どきの「マルウェア対策ツール」5選はこれだ
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6.Malwarebytes「Malwarebytes Endpoint Protection」
Malwarebytesの「Malwarebytes Endpoint Protection」は、エンドポイント(サーバを含む)保護のみの製品と、「EDR」(Endpoint Detection and Response)を組み合わせた製品から選べる。後者には人工知能(AI)技術によるマルウェア分析機能やシステム自動修復機能、マルウェア除去といった多様な機能が含まれる。
- 長所
- エンドポイント保護とEDRの統合ダッシュボードがあり、脅威の可視性が向上する。
- 脅威の追跡や監視に役立つレポート作成ができる・
- 短所
- スキャン機能は高度な脅威を検出しないことがある。
- 近年、ライセンス価格が上昇している。
7.Sophos「Sophos Intercept X Advanced with XDR」「Sophos Intercept X Advanced with MDR」
Sophosの「Sophos Intercept X Advanced with XDR」は、機械学習技術による予測を利用し、標的型マルウェア攻撃からの防御を目指す。「Sophos Intercept X Advanced with MDR」は、セキュリティオペレーションセンター(SOC)の技術者が使用するネットワーク全体のマルウェア検出と修復の機能を提供する。
- 長所
- 使いやすさを追求している。
- 高度なコンテンツフィルタリング、未知のマルウェアからの保護機能を提供している。
- Sophos Intercept X Advanced with MDRは包括的なロギングとアラート機能を提供しているので、脅威を特定して迅速に対処できる。
- 短所
- Sophos Intercept X Advanced with MDRを使いこなすには、セキュリティ担当者の特別なトレーニングが必要になる。
- Sophos Intercept X Advanced with MDRのレポーティングは詳細なため、高度なスキルが欠かせない。
8.Broadcom「Symantec Enterprise Cloud」
Broadcomの「Symantec Enterprise Cloud」は、エンドポイント保護、ネットワークセキュリティ、メールによるマルウェア感染防止、脅威分析といった機能を提供する。
- 長所
- 企業が導入済みのセキュリティ製品と併用しやすい。
- エンドポイントだけではなく、ネットワーク、クラウドインフラ、企業内データセンターも保護する・
- 短所
- インターネットコンテンツのフィルタリングなど、一部の機能は厳格過ぎて使いにくい場合がある。
- エンドポイント保護機能はコンピューティングリソースを大量に消費するため、低価格帯のデスクトップPCでは従業員の作業に支障を来す可能性がある。
9.トレンドマイクロ「Trend Cloud One」
トレンドマイクロの「Trend Cloud One」は、企業内のデータセンターやクラウドインフラ、ネットワーク、ファイルストレージ、各種ITサービスを保護する。
- 長所
- 企業のネットワーク全体を保護する。
- 脅威を可視化し、セキュリティポリシーグループの制御ができる。
- 「Windows」と「Linux」をベースにするサーバで高度なマルウェア対策ができる。
- 短所
- 管理ダッシュボードが分かりにくい。
- レポートやアラート機能が複雑。
- 熟練したSOCの技術者がいない場合、脅威に気付かないことがある。
10.Open Text Corporation「Webroot Managed Detection and Response(MDR)」
Open Text Corporationは、「Webroot」のブランドでエンドポイント、メール、DNS(ドメインネームシステム)、データセンター、クラウドサービス向けの一連のセキュリティ製品を提供している。「Webroot Managed Detection and Response」は巧妙化している脅威にいち早く対処するために、随時更新される脅威分析のインテリジェンスを利用する。
- 長所
- 統一されたダッシュボードでマルウェアの特定、アラート発出、システム修復ができる。
- レポート機能が分かりやすい。
- 短所
- 機能の無効化やライセンス管理など、一部の作業が複雑になる場合がある。
- 高度な脅威検出によって業務アプリケーションがブロックされる可能性があり、その解決にはセキュリティエンジニアによる対処が必要になる。
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