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クラウド利用には「帯域幅」と「レイテンシ」の最適化が欠かせない理由クラウドに最適なネットワークとは【第1回】

企業がクラウドサービスを使うことは当たり前になった。ネットワークチームはクラウドサービスの利用を前提としてネットワークを設計する必要がある。

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 クラウドコンピューティングとSaaS(Software as a Service)の出現は、IT業界に変革をもたらし、その影響はネットワークにも波及した。世界中のどこからでもリソースに接続し、アクセスできるという利便性があることから、企業はクラウドコンピューティングとSaaSを積極的に取り入れた。

 企業はクラウドサービスを活用して、より多くの利益を生み出したいと考えている。クラウドサービスを活用する際、考慮すべきネットワークのポイントは複数ある。まずは「帯域幅」と「レイテンシ」とは何かについて解説する。

ネットワークの「帯域幅」と「レイテンシ」とは

 帯域幅とは、一定時間内にネットワークの2地点間で転送できるデータ量を意味する。レイテンシとは、データを転送する際、転送要求を出してからデータが届くまでの待ち時間のことだ。

 チームが帯域幅とレイテンシの要件を最適化すれば、クラウドサービスを効率的に提供できる。具体的には以下のメリットがある。

  • 応答時間を短縮し、切断を減少させることによるユーザーエクスペリエンス(UX)の向上
  • クラウドサービス利用時の信頼性(障害や不具合の発生しにくさ)向上
  • コスト削減

 アプリケーションの種類によっては、膨大な量のデータをリアルタイムで処理する必要がある。この要件は、金融や医療などの業界で一般的だ。しかし、帯域幅とレイテンシを最適化したアプリケーションを開発して展開することは簡単ではない。

 クラウドサービスやクラウドサービス内部のアプリケーション利用時の帯域幅とレイテンシを最適化するためには、ユーザーの需要に応じてリソースを割り当てる仕組みを設定しておく必要がある。

 その他の選択肢は、「コンテンツデリバリーネットワーク」(CDN)を利用することだ。CDNは、CDNベンダーが各地に用意したサーバを結ぶネットワークだ。通常、専用のプライベート回線で接続している。

 サーバにはコンテンツが一時保管してあり、ユーザーが要求したコンテンツを配信する。企業は自社のクラウドサービスから直接ユーザーに提供するより、迅速に配信できる可能性がある。


 第2回はクラウドサービスを利用する際のセキュリティについて解説する。

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