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SSDにはない「HDD」の面白い特徴とは? HDDが愛される理由駆逐するSSD、生き残るHDD【第3回】

SSDと比較するとHDDはレガシーな技術だと見なされてしまうが、HDDが企業向けのストレージとして活躍していることに変わりはない。内部構造や歴史を含めて、HDDの特徴をまとめる。

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 ストレージの一種である「HDD」は、容量増大の進化や読み書き速度のパフォーマンスといった点では「SSD」の勢いに押されているが、需要を完全に失ってしまったわけではない。いまだに使われ続けるHDDにはどのような特徴があるのか。その構造や歴史を含めて、SSDとの違いをまとめる。

SSDより面白い「HDD」の特徴とは? 内部構造と歴史で考察

 HDDがSSDと大きく異なる点は、内部の構造にある。HDDは物理的に動く部品を内部に搭載している。HDDを象徴する主な部品は次の2つだ。

  • プラッタ(磁気ディスク)
    • これはデータを記録しておく部品であり、円盤の形をしている。複数枚のプラッタを搭載するのが一般的。
  • 磁気ヘッド
    • データをプラッタから読み取ったり、データを書き込んだりする。

 これ以外にも、磁気ヘッドを制御するアクチュエーターといった部品もある。回転式の円盤と、その近くでデータを読み書きする磁気ヘッドによる機械的な仕組みがHDDの特徴だ。こうした仕組みがあることが、SSDに比べた場合のHDDの故障しやすさにつながっていると一般的には考えられている。

 SSDは記録媒体として磁気ディスクではなくNAND型フラッシュメモリを採用しており、HDDのような機械的に動く部品を搭載していない。

 HDDは1950年代からあり、歴史で比較するとSSDよりずっと古い技術だ。SSDに搭載されているNAND型フラッシュメモリを、東芝が発明したのは1987年のことだった。

 SSDと同様で、HDDもデータセンターのラックマウント型のストレージアレイに集約し、複数のHDDの容量を1つにプールして利用できる。HDDはSSDよりも歴史が長いことからレガシーなストレージ技術だと見なされがちだ。だが2024年現在、容量単価の安さの点ではSSDよりもHDDに分があり、HDDベースのストレージアレイはSSDのフラッシュストレージアレイに劣らず広く使われている。


 次回は、SSDのデータ読み書きの高速性を象徴する技術としてインタフェース規格を解説する。

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