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「クラウドをやめる」ではなく「クラウドを使いこなして安くする」方法とは:「脱クラウド」よりもやるべき最適化【後編】
料金の高さなどの理由から「脱クラウド」を選択する前に、一度自社のクラウドストレージの改善に取り組んでみるのも手だ。今からでも始められるクラウドストレージ最適化とは。
オンプレミスのストレージからクラウドストレージに移行しても、料金やセキュリティなどの面で問題が生じ、オンプレミスに戻る「脱クラウド」を選択する企業がある。ただしこの選択は、全ての企業にとって適切とは限らない。脱クラウドではなく、より良いクラウドストレージの運用を実現するためには、何をすればよいのか。
どうすれば料金が安くなるのか
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連載:「脱クラウド」よりもやるべき最適化
クラウドストレージ運用の課題
企業は、以下に示すクラウドストレージ最適化のベストプラクティスが実行可能かどうかをクラウドベンダーに確認するとよい。
料金の最適化
クラウドストレージに関する懸念事項として、まず挙がるのが利用料金だ。クラウドストレージの料金を最適化して適切に管理する上では、次に挙げる作業が有効になる。
- ビジネスに直結する料金は、収益にも影響を及ぼすため、積極的に最適化した方がよい
- 一方で、ごく少額なので最適化の手間と削減経費が見合わないという理由から、最適化の対象にはしない方がよい料金もあることを認識する必要がある。
- 契約中のクラウドベンダーが、割引オプションや予算計画を立てやすい料金プランを提供しているかどうかを確認する
- ストレージや仮想マシン、CPUなどのクラウドリソースのうち未使用のものを特定し、不要なものは統合したり削除したりして効率化を図る
- 利用中のアプリケーションやデータに最適なストレージの構成と、その構成に沿った要件を満たすストレージを設計する
- データ管理のポリシーに従って不要なデータを破棄し、ストレージ容量と料金を削減する
- ストレージ関連の予算と実際の料金を比較し、予算または料金を修正する
- 料金を前払いして一定期間使用することで割引を受けられる料金プランの利用を検討する
- 複数のクラウドベンダーを利用する形態から、クラウドベンダーを1社に絞り込む形態に切り替えて料金削減を図る
- クラウドベンダーを1社に絞り込むと、大容量のストレージを購入することで割引を受けられる可能性がある。
- ただしクラウドベンダーを複数社利用することは、ベンダーロックインのリスク回避につながる。
- クラウドサービスへの支出を監視して料金削減の選択肢を提案するソフトウェアの使用を検討する
運用の最適化
クラウドベンダーは料金だけではなく、運用を最適化するための選択肢も複数用意している。IT管理者はアクセス制御、セキュリティ、データガバナンス、災害復旧(DR)、データ保護、プライバシーといった観点から、ストレージの最適化を進めなければならない。こうした機能をクラウドストレージのオプションとして別料金で提供するクラウドベンダーもあれば、他の機能とまとめて提供するクラウドベンダーもある。
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