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いまさら聞けない「クラウドネットワーキング」のメリットとは?クラウド技術入門【後編】

ネットワークのインフラや機能にクラウドサービスを利用するクラウドネットワーキングには、どのようなメリットがあるか。デメリットやリスクと併せて解説する。

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 企業ネットワークのリソースの一部または全てにクラウドサービスを利用することを、「クラウドネットワーキング」と呼ぶ。従来の企業ネットワークは、通信事業者やネットワーク機器ベンダーから製品やサービスを購入して、自社で独自に構築するものが一般的だった。WANを含めたネットワークの管理と制御の仕組みにクラウドサービスを利用することで、複数のメリットが見込める。デメリットやリスクと併せて解説する。

クラウドネットワーキングのメリットとは?

 クラウドネットワーキングの利点には以下のようなものがある。

  • クラウドネットワーキングは一般的に従量課金制モデルを採用している
  • ユーザー企業は自社のネットワーク機器やソフトウェアを購入する必要がない
  • ネットワーク機器やソフトウェアはクラウドサービスベンダーがアップデートするため、ユーザー企業のIT管理者はより優先度の高い仕事に取り組むことができる
  • ネットワークの運用規模の拡大が比較的容易にできる

 一方でクラウドネットワーキングには以下のようなデメリットやリスクがある。

  • 特定のクラウドサービスベンダーにロックインされる可能性がある
  • 障害が発生した場合、ユーザー企業はクラウドサービスベンダーがその問題を解決するのを待つことしかできない

クラウドコンピューティングとクラウドネットワーキング

 クラウドコンピューティングとクラウドネットワーキングには、重なるところがある。IaaS(Infrastructure as a Service)を利用する場合、クラウドネットワーキングを利用して、インフラ内の仮想マシン(VM)や他のクラウドサービス、インターネット網に接続することになる。

 オンプレミスインフラとクラウドサービスを併用する「ハイブリッドクラウド」では、ユーザー企業はクラウドネットワーキングを利用して、クラウドリソースと自社データセンターとを相互接続する。

 クラウドネットワーキングは既にユーザー企業の間で利用が広がっている。従来のネットワークでは物理装置によって提供されていた機能のほとんどが、クラウドサービスで利用できるようになっている。以下のような理由によって、クラウドネットワーキングを利用するユーザー企業は増加傾向にある。

  • IaaSの継続的な利用拡大
  • VPN(仮想プライベートネットワーク)に代わる「ZTNA」(Zero Trust Network Access)の急速な台頭
  • ネットワークとセキュリティの機能をクラウドサービスに集約する「SASE」(セキュアアクセスサービスエッジ)と、SASEの要素のうちセキュリティの機能を集約する「SSE」(セキュリティサービスエッジ)の利用拡大
  • クラウド管理型無線LANの継続的な利用拡大

 ユーザー企業は近年、当たり前のようにIaaSの仮想アプライアンスとしてロードバランサーを実行したり、無線LAN管理ツールを利用したり、SaaS(Software as a Service)としてセキュアなWebゲートウェイを利用したりしている。これらもクラウドネットワーキングの利用例だ。

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