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HDDが壊れる「物理的じゃない原因」とは? “あのエラー”が出たら危ない:HDD故障の原因と対処法【第6回】
HDDは物理的な破損だけではなく論理的な問題によっても突然故障することがある。HDDに不具合が起きていることを示す兆候と、故障を抑止するための対策を紹介する。
「HDD」は物理的な破損からソフトウェアに関わる問題まで、さまざまな原因で故障する。HDDの故障では衝撃や熱といった原因が注目されがちだが、HDDを適切に使い続けるためには論理的な異常にも注意を払う必要がある。本稿はHDDに不具合が起きていることを示す兆候と、故障を発生させないための予防策を紹介する。
あのエラーは「HDDが壊れる」兆候だった?
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連載:HDD故障の原因と対処法
- 第1回:「HDD」が故障しやすくなる“4つの原因”はこれだ
- 第2回:HDDが故障しやすくなる「やってはいけない使い方」
- 第3回:HDDが壊れる「よくある原因」は衝撃でも熱でもない“あれ”
- 第4回:HDDが突然壊れる「よくある前兆」はこれだ
- 第5回:HDDは“あれ”で壊れる――劣化でも衝撃でもない「謎の原因」
HDDはやっぱり使われ続ける?
HDDが故障する原因は、衝撃や熱によって破損が生じるといった物理的なものに限らない。ソフトウェアやデータに起因して、論理的な異常によって故障することもある。例えば以下のような原因がある。
- ソフトウェアのバグ
- マルウェア感染
- 不適切な設定変更といったエンドユーザーの操作
HDD論理障害の兆候
HDDに論理的な不具合が起き始めている場合、何らか異変が起きることがある。例えば、
- データが頻繁に破損する
- データの扱いに関するエラーメッセージが頻発する
- 一部のファイルが開かない
- ファイルの名前が変更されている
- サーバがフリーズする
といった異変は、HDDの故障を示す兆候の一つだ。
論理的な問題からHDDを守るために、IT部門の責任者はまずは企業のストレージシステムの扱い方を十分に理解できるよう、チームメンバー全員に対して教育を受けさせる必要がある。例えば、ストレージシステムの適切なシャットダウンと切断の方法、ソフトウェアの定期的なメンテナンスの方法などに注意を払う必要がある。
論理的な故障の予防策
HDDを論理的な異常を原因とする故障から守るためには、以下のような取り組みが欠かせない。
- アンチマルウェアソフトウェアを導入する
- ファイルシステムに異常がないかどうか定期的にスキャンする
- ファイアウォールなどのセキュリティ機能を実装する
- ソフトウェアを適切に更新する
- HDDの断片化(ファイルのデータがばらばらに保存されること)を防ぐデフラグ作業を定期的に実施する
次回は、ファームウェアに起因するHDD故障の原因を考える。
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