AWSやAzureのクラウド予算オーバーを招く「エグレス料金」 抑える方法は?:エグレスを基礎から【第4回】
外部にデータを転送するエグレス(Egress)。クラウドサービスから外部インフラにデータ転送に掛かる費用をエグレス料金と呼ぶ。エグレス料金を抑えるための方法とは。
「外に出ること」などの意味合いを持つ「エグレス」(Egress)は、IT分野で外部にデータを転送することをと表現することがある。Amazon Web Services(AWS)の同名サービスやMicrosoftの「Microsoft Azure」などのクラウドサービスから外部のインフラにデータを送信するときに掛かる料金は「エグレス料金」だ。エグレス料金を抑えるためのベストプラクティスを解説する。
エグレス料金を抑えるベストプラクティスとは
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連載:エグレスを基礎から
- 第1回:ITの世界で「エグレス」(Egress)はどういう意味? 実例で解説
- 第2回:サイバー攻撃者が狙う「エグレス」とは 主要な手口を解説
- 第3回:いまさら聞けない「エグレス料金」とは どんな時に請求される?
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エグレス料金を防ぐ
不要なエグレス料金が発生しないよう、管理のベストプラクティスを以下に挙げる。
クラウドサービスの精査
企業は、自社のニーズと予算に合ったクラウドサービスを特定するため、複数の候補を比較検討すべきだ。一部のクラウドサービスは、エグレス料金が発生しないよう、他のネットワークとの直接接続、もしくは専用のネットワーク接続でデータ転送できるサービスを提供している。
データを単一のクラウドサービスもしくはリージョン(データセンターの所在地)に配置
同一のクラウドサービス内、もしくはリージョン内にとどめれば、データ転送にかかるコストは通常低くなる。頻繁にアクセスするデータをローカルにキャッシュし、転送する回数を減らすことでコストを抑えることができる可能性がある。
データの圧縮と重複排除
転送するデータの量はエグレス料金に影響を与える。データ圧縮により転送量とエグレス料金を削減できる。さらに、同じデータが複数存在する場合に1つのデータのみを保存する「重複排除」によってもデータ転送量を削減してエグレス料金を削減できる。
エグレス料金の可視化と分析
非効率な転送方法を特定するために、リアルタイムでデータの使用を監視し、パターンを分析する。クラウドサービスベンダーが提供するコスト管理ツールを利用することでエグレス料金を可視化し最適化できる可能性がある
次回はエグレスセキュリティのベストプラクティスを紹介する。
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