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Oracle Databaseはいまどうなっているのか? Google Cloud連携とAI対応の行方:AIも利用しやすく
マルチクラウド戦略に注力しているOracleは、同社データベースと「Google Cloud」の連携を強化している。AI機能や新リージョンの追加など、「Oracle Database@Google Cloud」の主な機能強化の内容を説明する。
日本オラクルは2025年10月24日、Oracleのデータベース製品をGoogleの「Google Cloud」で実行するためのサービス「Oracle Database@Google Cloud」の機能強化を発表した。機能強化の具体的な内容と、ユーザー企業にとってのメリットを見てみよう。
機能強化で変わった「4つのこと」
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Oracleの製品戦略
Oracle Database@Google Cloudは、Google CloudインフラでOracleのデータベース製品の稼働を可能にする。OracleはGoogle Cloudだけではなく、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoftとも手を組み、同様の連携に取り組んでいる。これによって、ユーザー企業はマルチクラウド(複数のクラウドサービスの組み合わせ)インフラでOracle Databaseを利用し、イノベーションの加速や運用コストの削減につなげられるという。
今回のOracle Database@Google Cloudの機能強化は、主に以下のことを柱としている。
- 高性能データベース「Oracle Exadata Database Service」の一般提供を開始
- 従量課金制でOracle Exadata Database Serviceを利用できるようになるため、企業の規模を問わず、小規模から導入が可能だ。
- データベース「Oracle Base Database Service」の一般提供を開始
- 「Oracle Database Enterprise Edition」または「Standard Edition」をクラウドインフラで利用可能にするサービス。データベースをサービスとして利用可能にするため、データベースインフラ管理の簡素化やアプリケーション開発の迅速化を実現できる。
- 「Oracle Autonomous AI Lakehouse」の一般提供を開始
- オープンソースのデータ表形式「Apache Iceberg」をAIサービスの「Oracle AI Database 26ai」「Oracle Exadata」「Oracle Autonomous AI Database」と組み合わせて、AI活用やデータ分析を可能にするためのサービス。Google CloudのAIサービス「Gemini」や「Vertex AI」も連携可能になる。
- 新しいリージョンの追加
- オーストラリア南東部2(メルボルン)、北米北東部1(モントリオール)、米国中部1(アイオワ)の3つのGoogle Cloudリージョンを追加した。既存リージョンは、アジア北東部1(東京)、ドイツ中部(フランクフルト)、英国南部(ロンドン)、米国東部(アッシュバーン)、米国西部(ソルトレイクシティ)の5つだ。
合わせて、Google CloudやOracleのパートナー企業は、「Google Cloud Marketplace」を通じてOracle Database@Google Cloudを購入し、ユーザー企業への再販や、自社製品への組み込みが可能になった。
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