CIOのための“ショート動画”攻略ガイド【後編】
“ショート動画”戦略を成功させるための動画作成ツールの選び方
ショート動画をビジネスに活用する際に便利なツールが、市場に次々と投入されている。動画編集ツールや公開する動画配信サービスの選び方と、ショート動画のROIを測定する際に設定しておくべき主なKPIを説明する。
ショート動画は今や、B2B領域でも顧客や製品購買層とのコミュニケーション手段として重要になっている。組織がショート動画を継続的に作成、公開して配信するには、適切な動画配信サービスや動画作成ツールを選ぶ必要がある。これらのツールの選定には、技術面と事業戦略面の双方の考慮が必要だ。CIO(最高情報責任者)は組織内のITリーダーやマーケティング、コンテンツ運用に関与するチームと連携しながら適切な選択をしなければならない。本稿はショート動画の作成や公開に必要なツールの選び方と、ショート動画のROI(投資対効果)を高めるためのポイントを説明する。
ショート動画の作成、公開ツールの選び方
併せて読みたいお薦め記事
連載:CIOのための“ショート動画”攻略ガイド
動画をビジネスに活用する
ターゲットとなる視聴者層
動画配信サービスはそれぞれ、主力とするユーザー層が異なる。例えばB2B領域を主力事業にする組織は、想定する視聴者層や自組織がターゲットとする業界に合わせて、「LinkedIn」や「TikTok」「Instagram」などの配信チャネルを比較し、評価する必要がある。
セキュリティとコンプライアンス
各サービスは「ISO 27001」や「SOC 2」といった企業向けのセキュリティ要件を満たし、データの所在地の法規制に準拠する必要がある。組織で導入する各サービスのログイン情報をアイデンティティーおよびアクセス管理システム(IAM)と連携させることも不可欠だ。
データ分析機能
各動画配信サービスや動画作成ツールに搭載された分析機能を確認する。取得できる基本的な視聴者データの種類に加え、データのエクスポート機能やAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)アクセス機能、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールとの連携機能などを搭載しているかどうかが判断基準となる。
CRMおよびDAMの統合
AdobeのCMS(コンテンツ管理システム)兼DAM(デジタルアセット管理)システムの「Adobe Experience Manager」や、Salesforceの「Salesforce」、HubSpotの「HubSpot」といったCRM(顧客関係管理)システムとのデータ連携機能は、コンテンツの一貫性やメタデータの整合性を維持することを助ける。
複数チャネルの一元管理
Sprout Social社の「Sprout Social」やBrandwatch社の「Brandwatch」などのマーケティングツールは、複数のSNSから取得したデータを一元管理し、投稿の監視やROIの測定を支援する。こうしたツールはチームのガバナンスとパフォーマンスの可視性を高める。
CIOによるROIの測定
ショート動画プロジェクトは、ビジネスにどれだけ貢献したのかを数値で示せるようにしなければならない。そのためにCIOはKPI(主要業績評価指標)を設定することが必要だ。特に重要なKPIには以下が含まれる。
- エンゲージメント率
- 「いいね」の数やコメント数、シェアの回数、平均視聴時間など
- コンバージョン
- 動画を経由したリード(見込み客の情報)の獲得数
- フォロワーの拡大
- 公開している動画の再生数やSNS全体でのフォロワー数
- ブランドへの感情
- 特定の動画に関連した視聴者のコメントや感想から得られるインサイト(洞察)
- リードアトリビューション
- リード獲得において、どの動画あるいは動画へのアクセス手段がどれくらい影響したかの度合い
- 顧客維持指標
- オンボーディング(顧客満足度の向上や顧客へのフォローを通して定着率を高めること)や継続的な顧客コミュニケーションへの動画の利用
- 生産速度
- 動画の企画から公開までにかかる時間とイテレーション(動画の制作から公開までのサイクル)の頻度
ショート動画は、現代のデジタルエンゲージメント戦略の中核要素の一つとなっている。CIOは部門間での戦略的な協力とガバナンスを促進する必要がある。適切なツールや効果の測定手法を導入することで、ショート動画は単なるマーケティングツールから、事業の成長や顧客エンゲージメントを支える資産へと変わる。
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