既に始まっているコンピュータによる意思決定(前編)
コンピュータのスコアリングを使った裁判は適切だったのか?
AI(人工知能)の活用に対する懸念は根強いが、コンピュータによる意思決定は人々の生活に関与している。既に活用されている分野においてなされた決定は、本当に正しかったのだろうか。
英ウェストミッドランズ州消防庁が発表したデータによると、バーミンガム市には消防署が15もあるのに、その近隣の町ソリフルには2つしかない。消防隊員が要請を受けてから現場に到着するまでの時間を示すオンラインマップを見ると、ソリフルの多くの地区は郊外の農村であるため、消防隊員の到着に都市部よりも時間がかかっていることが分かる。人口の相対的な違いを考慮しても、ソリフルの行政サービスは行き届いていないことがうかがえる。
Computer Weekly日本語版 12月20日号無料ダウンロード
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 12月20日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
同庁がまとめた別のデータを見ると、都市部のバーミンガムに消防署が多く設置されている理由が分かる。「火災が発生した場所を見れば、強い根拠があることが非常によく分かるだろう」と話すのは、同庁で戦略を統括するデータアナリスト、ジェイソン・デイビス氏だ。バーミンガム市内には、アストン、ハンズワース、レイディウッド、ハイゲイトなど、人口に比例して火災が多発している地区が幾つか存在する。
同庁は火災に関するアドバイスを行うためデータ分析を導入した。そして、単身世帯、公共機関が運営している賃貸住宅、失業、喫煙、住人が黒人またはアフリカ系カリブ人であるなどの要因があると、偶発的な火災のリスクが高まるという相関関係を発見した。
ただし、「結論を出すには注意が必要だ」とデイビス氏は指摘する。「こうした相関関係だけでも、われわれが構築している業務遂行モデルにとっては十分な情報だ。だが、正確な原因を把握しているとは限らない」
AIが科した厳刑
2013年、米国ウィスコンシン州の判事がエリック・ルーミス氏に懲役6年の刑を科した。ルーミス氏は警官から逃げたことに対して有罪を認めていたが、問題は刑期の長さだった。判事は量刑の際、「COMPASスコア」も考慮に加えたのだ。
COMPAS(Correctional Offender Management Profiling for Alternative Sanctions:直訳すると「代替制裁のための矯正対象犯罪者管理プロファイリング」)スコアとは、対象者の再犯リスクを評価したものだ。米国の法執行機関向けITシステムの専門企業Northpointeが開発したアルゴリズムを使用している。
ルーミス氏が量刑に対して不服申し立てを行ったことにより、新たな問題点が浮上した。
続きはComputer Weekly日本語版 12月20日号にて
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 1月10日号 “マルチクラウド”は幻想にすぎない
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
8
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー