Column
顧客とのコミュニケーションはファーストクラスで
顧客とのコミュニケーションは単純なことだが簡単ではない。迷ったらコミュニケーションの量を減らすよりも増やすことだ。
わたしはCIO、戦略立案責任者、それに「純粋な製造マン」の役割を兼務しているため、出張が多い。ご承知の通り、空の旅が宣伝文句のようにいつも順調だとは限らない。2月の出張では、氷雪による暴風で着陸したJetBlue Airwaysの旅客機に、10時間も閉じ込められてしまった。このときJetBlueが犯した最大の失敗は、事の発端で緊急コミュニケーションが取れなかったことだ。
航空業界は毎日のように、われわれIT幹部がどのように顧客とコミュニケーションを取るべきかの具体例を示してくれる。わたしの経験では、主要航空会社が不測の事態に対処するやり方は2つある。1つは、これは悪い方になるが、コミュニケーションをやめてしまうこと。もう1つのいい方のやり方は、起きていることも起きていないこともすべてを公表し、乗客が理性的な判断を下せるようにすることだ。
例えば最近の事例では、わたしの便の出発時刻が午後5時15分から6時2分に変更になり、その後また変わって7時20分になり、さらに9時20分になったことがあった。察するに、航空会社はかなり早い段階で、5時15分と6時2分と7時20分の出発が不可能なことが分かっていた(その便が最初の出発地を飛び立ってさえいないことをわたしたちが知ったのは7時半になってからだった)。航空会社の乗客とのコミュニケーションギャップが原因で、わたしは貴重な時間を失った。
一方、別の便では次のようなことが起きた。出発の45分前になって機長自らが搭乗口に現れ、機体に問題があると告げた。油圧系に水がたまっているというだけで、問題の原因はまだ分からず、出発時間は予想がつかないという。別の便に乗りたい場合は探し始めた方がいいと説明し、機長は飛行機に戻ったが、15分ごとに搭乗口にやって来て、新しい情報を提供してくれた。状況が把握できたため、わたしたちは待つか動くかを判断するのに必要な情報を得ることができた。わたしは時間に余裕がなかったので、タクシーで近くの小さい空港に向かった。
最初の便の場合、情報が何もなかったのでわたしには選択の余地がなかった(しかもイライラさせられた)。2番目のケースでは、誰もが(その場でじっと機体の修理を待っていた人たちでさえ)がっかりはしたが、イライラはしなかった。何が起きていて、何が起きていないかが分かっていたからだ。
意思疎通の正しい方法
では、これが会社の顧客とのコミュニケーションにどう関係あるのだろうか。
例えばわが社のスパム/ウイルス遮断フィルタに不具合が生じたとする。わたしたちはこの問題に取り組む一方で、トラブルに見舞われている可能性のあるすべての相手に連絡を取る。これが問題の解決を早める助けになるかといえば、そんなことはない。しかし顧客サービスの提供にはなる。何が起きているかを知ることにより、顧客は代替措置を探ることができるのだ。電子メールを使う代わりに文書をファクスしたり、電話で会議の議題について打ち合わせることができる。何が起きているのか知らなければ、顧客の選択肢は狭まる(そしてイライラは募る)。
常に最新情報を提供することは、わたしたちにとってコミュニケーション過剰にも思えるが、そうした考え方はゆがんでいる(結局のところ、外交的だからITに進まなかったという人がほとんどなのだから)。わたしたちからすればコミュニケーション過剰と思えることが、質の高い顧客サービスの最低基準なのかもしれない。
本稿筆者のニール・ニコライゼン氏は、エネルギー・建設資材会社Headwatersの戦略計画担当副社長。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー