フレキシビリティ&アジリティ
2008年の成功の鍵を握る柔軟性と俊敏性
分刻みの意思決定が必要な時代にあって、ITインフラに求められるのは、情報を迅速かつ包括的な形で確実に入手できるようにする方法だ。
PCやネットワークのアップグレードといった当面の問題も重要だが、CIOにとっては市場と会社に影響を与える現在のビジネストレンドを把握することも必須だ。こうしたトレンドは必然的に、成功をもたらすテクノロジーが必要な経営サイドのニーズにつながる。
現在の主要トレンドは、早いペースで展開する事業に対応するための俊敏性をITに求めるニーズが拡大していることだ。CIOが探し求めているのは、数時間や数日、数週間ではなく分単位で意思決定がなされる時代にあって、情報を迅速かつ包括的な形で確実に入手できるようにする方法だ。
「経営側はもっと柔軟で、より迅速にビジネスニーズの変化に対応できるITインフラを求めている」と話すのは、Forrester Researchのアナリスト、アンドリュー・バーテルズ氏。「企業はもっと機動的になり、対応のさらなる迅速化を進める必要があり、CIOはITでこれを実現できる技術を求めるだろう」
例えば米フロリダ州オーランド市のCSO(最高セキュリティ責任者)兼副CIOを務めるジョン・マテルスキ氏は、メンテナンス、ライセンス、インフラ刷新、自動更新の経費が出費の15~20%を占める予算をやりくりしながら、市のニーズ拡大に迅速に対応できるインフラを構築する必要があった。「土地開発が続き、新しい人や企業がオーランドに引っ越してくれば、そのエリアにも自治体のサービスを拡大する必要がある。こうしたサービス(警察、消防、廃棄物処理など)を提供するためには新しい施設を作る必要があり、テクノロジーはこれら施設とサービスを維持するための中核となる」とマテルスキ氏は説明する。
日常化するSOA
CIOは、自社に順応性をもたらす基本的な技術に集中し、それを次世代技術に対応させなければならないとバーテルズ氏は言う。これら技術は大きく3つに分類できる。サービス指向アーキテクチャ(SOA)、サーバ仮想化、そして音声とコンピュータ通信をIPネットワークで統合した統合コミュニケーションだ。例えばマテルスキ氏はVoIPへの切り替えに200万ドル以上を投じた。
CIOがSOA導入に熱意を示しているのは、企業がビジネスアジリティを重視している象徴だと、バブソンカレッジ情報管理研究センターのエグゼクティブディレクター、ケビン・ムーディ氏は言う。
「多くの企業は既にSOAを実行しており、もはや口にもしなくなった。これは、俊敏性と効率性をサポートする構造的アプローチの背景の一部になっている」(ムーディ氏)
VT Specialized Vehiclesの情報サービス・技術ディレクター、スコット・クレイトン氏もSOAを取り入れた。トラックとトレーラーの受注生産を手掛ける同社にとって命綱である社内外とのコミュニケーション向上のためにSOAを使っている。「要は、ビジネスアジリティは人と人および人とデータベースの両面におけるコミュニケーションの向上に懸かっている。社内顧客だけでなく、外部へのサービスでもなければならない。広い意味で、わたしはサービス指向のITインフラを提供したいと思っており、そのためにはバックエンドのサービスアーキテクチャが必要だ」
SOAコンポーネントで構築された状況報告ツールなどのアプリケーションでは、例えばトラックのボディ印刷用の転写シールが届いたかどうか、トラックが組み立てラインに入ったかどうかといった特定の業務情報に、顧客と社内の従業員が簡単にアクセスできる。
コラボレーション技術の可能性
CIOにとってのもう1つの関心事は、WikiなどのWeb2.0ツールに見られるコラボレーション技術だ。「誰もがこれを視野に入れているが、まだどこでどう使うかを見極めようとしている段階だ」とムーディ氏は話す。
こうした技術では、ビジネスプロセス向上から結果の最適化へと現在の焦点を移す一助となる次世代技術の基盤を構築することが可能になる。バーテルズ氏によると「これは効率性を高めるのが主眼ではなく、目標を持ってソフトウェアとプロセスコンポーネントを組み立て、それに分析とバーティカルな業界知識を組み合わせて即効性のあるソリューションを構築するのが主眼」だという。
ITインフラの応答性向上に関心を持つことは、次世代に到達するための重要なステップになるとムーディ氏は言い、次のように語った。「CIOはそのための地ならしをしており、好調なペースで進展している。ITアーキテクチャの応答性が良くなってボトルネックは減りつつあり、企業がイノベーションを実現するための俊敏性を提供している」
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