定時フルスキャンで思わぬ影響が
仮想環境におけるウイルス対策の注意点
処理がローカルで実行される物理システムでは一斉にフルスキャンが行われても大きな問題にはならないが、仮想環境の場合は、不要な仮想マシン移動やパフォーマンスアラートが発生する恐れがある。
筆者の会社では、汎用性の高いサーバシステムのP2V(Physical to Virtual)移行を進めており、かなり成功している。だが、環境の拡大に伴って仮想システムとウイルス対策管理システムにかかわる問題が発生してしまった。本稿ではこの問題を説明し、皆さんが同様の状況を回避できるようにその解決策を紹介する。
ほとんどのサーバシステムでは、物理システムか仮想システムかにかかわらず集中管理型のウイルス対策パッケージを運用するのが得策だ。この運用にはウイルス定義の定期的な更新、ウイルス対策エンジンの更新、除外ポリシーの適用、定時フルスキャンなどが含まれる。
われわれを悩ませることになったのは定時フルスキャンだ。以前から、物理サーバと仮想サーバのローカルファイルシステムのフルスキャンを業務時間外に定期的に行っていた。しかし、仮想環境の利用が増えたことで、この作業で問題が起きてしまった。
われわれはVKernelの仮想アプライアンス「Capacity Bottleneck Analyzer Virtual Appliance」と「Chargeback Virtual Appliance」を使って、仮想環境のパフォーマンスを監視している。監視を行う中で、業務時間外にすべてのホストと仮想マシンでCPUの使用率が著しく上昇することが分かった。約2時間にわたって、CPU使用率がわれわれの平均値の3倍程度にまで達していた。当初、これはその時間帯に近い時間に行われるフルバックアップのせいだろうと考えていた。しかし、よく調べたところそうではなかった。
CPU使用率の急上昇が、設定の動作確認や隔離テストの目的で隔離されたネットワーク上に置かれたゲストシステムでも発生していることにわれわれは気付いた。この隔離されたシステムでは、フルバックアップのせいでCPU使用率が急上昇することはないと判断できた。このシステムはバックアップメカニズムとは切り離されていたからだ。
CPU使用率の急上昇を回避する
われわれは、ローカルファイルシステムに対するウイルスの定時フルスキャンが問題の元凶であることを突き止め、CPU使用率の急上昇を回避するには、一連のフルスキャンを時間をずらしながら行う必要があるという結論に達した。処理がローカルで実行される物理システムでは、一斉にフルスキャンが行われても大きな問題にはならない。こうしたシステムは概してアイドル状態だからだ。しかし、仮想環境に対してそのようにフルスキャンが行われると、不要な仮想マシン移動やパフォーマンスアラートが発生してしまうかもしれない。このため、仮想環境への移行を進めるに当たっては、集中管理によるこうした定期的な操作に注意を払い、物理環境と仮想環境から成るインフラ全体に、それらがどのような影響を与えるかを必ず検討しなければならない。
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