Active Directory運用術
Microsoft DNSサーバを単独でバックアップするには
Active Directoryを安全に機能させるためには、DNSサーバを定期的にバックアップする必要がある。DNSサーバのバックアップ方法を紹介する。
Active DirectoryはDNS(Domain Name System)に完全に依存しているため、DNSサーバを定期的にバックアップすることは極めて重要だ。
DNSサーバのバックアップに関してMicrosoftが推奨している方法は、システム状態のバックアップだ。このテクニックは確かに有効だが、オールオアナッシング的なアプローチである点に注意が必要だ。すなわち、DNSに問題が生じたためにシステム状態をリストアしようとした場合、レジストリやActive Directoryデータベースなどのコンポーネントもリストアすることになる。
幸いにも、DNSサーバを単独でバックアップする方法が2つある。ただし、バックアップするゾーンに対応した方法を選ばなければならない。
プライマリ/セカンダリゾーン
プライマリ/セカンダリゾーンの場合、ゾーン情報がテキストファイルで保存されているのでバックアップは簡単だ。XCOPYコマンドを使ってDNSフォルダをバックするだけでいいのだ。このコマンドの使用例を以下に示す。
XCOPY %SYSTEMROOT%\system32\dns c:\backup\dns /y
上記のコマンドは、「\Windows\System32\DNS」フォルダ内にあるすべてのファイルを「C:\backup\dns」にコピーする。最後にある「/y」スイッチは、ユーザーに確認を求めるメッセージを出さずに直ちにコマンドを実行するためのものだ。
プライマリ/セカンダリゾーン情報のリストアも同様に簡単だ。「\backup\DNS」フォルダ内のファイルを「%SYSTEMROOT%\system32\dns」フォルダにコピーするだけだ。
Active Directory統合ゾーン
Active Directory統合ゾーンのバックアップは少し厄介だ。ゾーン情報がテキストファイルではなく、Active Directory内に保存されているからだ。幸いこの作業を行うための「DNSCMD.EXE」というコマンドライン型ツールがMicrosoftから提供されている。
DNSCMD.EXEは「Windows Support Tools」に含まれている。Windows Support Toolsはデフォルトではインストールされない。これをインストールするには、Windows Server 2003インストールディスク内の「\Support\Tools」フォルダの中にある「SUPTOOLS.MSI」ファイルを実行すればよい。Windows Support Toolsをインストールしたら、「Command Prompt」ウィンドウを開き、「\Program Files\Support Tools」フォルダに移動する。必要なコマンドはすべてここから実行できる。
最初に、バックアップ可能なファイルにゾーン情報をエクスポートする。例えば、「example.com」のゾーン情報をバックアップしたいのであれば、以下のようなエクスポートコマンドを使用する。
DNSCMD /zoneexport example.com backup\ example.com.dns.bak
このコマンドの「/zoneexport」スイッチは、指定したゾーン(example.com)のゾーン情報をバックアップファイルにエクスポートするよう「DNSCMD.exe」コマンドに指示する。バックアップファイルは、「example.com」という名前で「%systemroot%\system32\dns\backup」フォルダに保存される。
エクスポートコマンドに関して知っておかなければならないことが1つある。それは、既存のバックアップファイルを上書きしないということだ。このため、指定した名前のファイルがバックアップ用フォルダ内に存在しないことを確認する必要がある。同じ名前のファイルがあると、このコマンドは機能しないのだ。
以上述べたように、バックアップを作成するのはそれほど難しいことではない。だがバックアップをリストアするのはちょっと面倒だ。というのは、DNSCMDコマンドでは、Active Directory統合ゾーンとしてファイルをリストアするよう指定できないからだ。バックアップファイルに基づいてプライマリゾーンを作成するようDNSCMDに指示する必要があるのだ。その上で、プライマリゾーンをActive Directory統合ゾーンに変換する。
最初に行う必要があるのは、作成したバックアップファイルを「%systemroot%\system32\dns\backup」フォルダから「%systemroot%\system32\dns」フォルダに移動することだ。こうすることで、DNSCMDがバックアップファイルを見つけられるようになる。その後で、以下のコマンドを実行する。
DNSCMD /zoneadd example.com /primary /file example.com.dns.bak /load
上記のコマンドの「/zoneadd」スイッチは、DNSCMDに対して新規ゾーンの作成を指示する。「/primary」スイッチは、プライマリゾーンを作成することを示す。さらに、「/file」スイッチおよびバックアップファイルの名前を指定することにより、新しいゾーンをどのファイルから作成するのかを指示する。
このコマンドに含まれる「/load」スイッチは非常に重要だ。これは、ここで指定したファイルからゾーン情報を読み込むよう指定するスイッチだ。「/load」スイッチを省略すると、DNSCMDは新しいゾーンファイルを作成し、バックアップファイルの中身を上書きしてしまうのだ。
新しいプライマリゾーンを作成したら、それをActive Directory統合ゾーンに変換する必要がある。これには以下のコマンドを使用する。
DNSCMD /zoneresettype example.com /dsprimary
このコマンドを入力すればすべて完了だ。ただし、ゾーンに対するセキュアな動的更新はデフォルトでは有効にならない。セキュアな動的更新を有効にしたいのであれば、以下のコマンドを入力しなければならない。
DNSCMD /config example.com /allowupdate 2
本稿筆者のブライエン・M・ポージー氏はMCSE(マイクロソフト認定システムエンジニア)の資格を持ち、Windows 2000 Server、IISおよびExchange Serverに関する仕事でMicrosoft Most Valuable Professionalの認定を受けた。全米規模の病院チェーンでCIO(最高情報責任者)を務めた経験を持つほか、フォートノックス(米ケンタッキー州にある米軍施設)のITセキュリティを担当したこともある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
“攻撃者優位”なサイバーセキュリティ、全ての「穴」をふさぐ方法とは? -
製品資料
実際に悪用される脆弱性は4%前後 優先的に対処すべき脆弱性を把握するには? -
製品資料
HubSpotの機能を拡張する法人データ活用法 -
製品資料
面倒で非生産的な「名寄せ」作業 高精度&高効率に実施するには? -
製品資料
名刺管理には「その先」がある 成果のでない営業活動から脱却する秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
2
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
「WSUS」終了の時限爆弾 “本命”移行先ツールとMicrosoft提唱の新管理手法
-
6
ベッドでの使用が「PC騒音」を悪化させる? Dellが推奨する冷却ファンの鎮め方
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
9
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
10
「OSの選定・導入」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
財務・会計はAI活用でどう変わる? 調査で見えた変革の道筋
-
3
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
7
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
8
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
9
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
-
10
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー