【連載コラム】医療ITの現場から
レセプト審査の強化とIT化の恩恵
東日本大震災の影響で延期されていたレセプト請求の「突合点検」と「縦覧点検」が2012年3月審査分から実施される。診療所に対する審査がより厳格になる中、その作業負荷の軽減のためのIT化が進められている。
2012年3月請求分から「突合点検」「縦覧点検」を開始
医療機関が支払い審査機関に提出するレセプト請求の電子化は、2006年の「レセプトオンライン請求の義務化」(2009年に一部緩和)を受けてその後順調に普及しています。診療所がレセプトコンピュータ(以下、レセコン)で作成し、オンライン請求または電子媒体で提出する「電子レセプト」の割合は、医療機関数ベースでは8割を超え、請求件数ベースでは92.5%を占めています(社会保険診療報酬支払基金の2011年12月現在の調査結果より)。
また、2011年の東日本大震災の影響で延期されていたレセプトの「突合点検」と「縦覧点検」が2012年3月審査分から実施されることになりました。
突合点検とは、処方せんを発行した医療機関の医科・歯科レセプトと調剤を実施した薬局の調剤レセプトを患者単位で照合する審査のことです。縦覧点検とは、1人の患者のレセプトについて医療機関単位で過去6カ月のレセプトを対象にその妥当性を検証する審査です。その審査の結果、病名漏れなどや重複請求などの不整合が起こった場合、医療機関への支払額からその金額が差し引かれます。
このようなレセプト審査強化を受けて、最近注目されているのが「レセプトチェックソフト」です。今回は、レセプトチェックソフトについて考えてみましょう。
レセプト審査の厳格化に伴うIT活用
2012年3月分から実施される2つの点検では、長年経験を積んだ医療事務スタッフが目視でチェックしても、その間違いを見つけることは非常に難しくなります。例えば、縦覧点検では過去6カ月にわたる複数のレセプトデータをチェックするため、確認漏れが起こることもあります。このチェックをシステム化すれば、より迅速で正確に問題のある項目を発見できます。
従来、レセプトチェックソフトは比較的高価であったため、病院を中心に普及してきました。しかし、2011年ごろから機能を絞り、価格を抑えた診療所向けのシステムが相次ぎ発売されたことで、診療所での導入も広まりつつあります。その導入費用は医療事務スタッフの人件費よりも安く、電子カルテのオプション程度の価格です。
| 製品名 | 提供企業 | 関連URL |
|---|---|---|
| 診療所版 MightyChecker PRO | エーアイエス | http://www.tais.co.jp/products/08_mccl/ |
| 点検サブシステム | エム・エイチ・アイ | http://www.mhint.jp/mhiri_subsystem.html |
| レセプト博士NEO For Clinic | NTTデータ アイ | http://www.nttd-i.co.jp/products/receipt/01.html |
| べてらん君コラボ | 日立メディカルコンピュータ | http://www.hitachi-mc.co.jp/products/beteran/ |
| レセ電ビューア | ピーエスシー | http://freesoft001.seesaa.net/article/203608114.html |
| チェックアイ | ニチイ | http://www.nichiiweb.jp/medical/service/totalservice/checkeye.html |
| レセ楽net | ラジエンスウェア | http://recerakunet.com/ |
| レセチェッくん | レセデンドットコム | http://www.rezeden.com/page_4.html |
レセコンのオプション機能や代行サービスの利用も
レセプトチェックソフト以外にも、レセコンベンダーが自社レセコンのオプションとしてチェック機能を提供しており、またレセプト請求を代行しているサービス事業者の点検サービスなども利用可能です(関連製品一覧:レセプトコンピュータ製品一覧)。
電子レセプトによる請求が普及したことで、支払い審査機関もデータを取り込んで効率的にチェックを行う審査システムを導入しています。審査システム導入の当初から「グレーゾーンの範囲が縮小されて、返戻が増加するのではないか」といわれていました。実際に返戻されるケースが増えていると聞きます。今後はチェック内容がさらに高度化し、審査がより厳格になることが予想されます。支払い審査の結果で支払額が差し引かれることがないように、診療所のIT化の中でも効果が高いであろう「レセプトチェックのIT化」を検討してはいかがでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
【連載コラム】医療ITの現場から
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー