NEWS
OpenStack連携で既存システムのクラウド移行を支援、ストラタス
日本ストラタステクノロジーが「Software Defined Availability」構想や同社初となるクラウド環境向けソフトウェアを発表。OpenStackベースの新製品の提供により、クラウド環境への移行も支援する。
日本ストラタステクノロジー(以下、ストラタス)は2013年11月12日、同社の事業戦略を発表した。ITインフラ/業務アプリケーションの可用性をソフトウェアで制御するという「SDA(Software Defined Availability)」構想に基づいた製品や、クラウド基盤ソフトウェア「OpenStack」をベースとした新製品を提供する。
クラウド環境における業界標準の地位を確立
1980年に設立された米Stratus Technologiesは、業務システムの停止が日常生活に影響を及ぼすことを防ぐ“Always-On”をコンセプトに、システム停止を回避する製品やサービスを展開してきた。現在、メインフレーム時代からの実績を持つ独自OS「Stratus Open VOS」や無停止型IAサーバ/ストレージ製品群「Stratus ftServerシリーズ」、仮想化ソフトウェア「Stratus Avance」、同社が2012年に買収した米Marathon Technologiesの高可用性ソフトウェア「everRun MX」などを開発、販売している。
ストラタスの代表取締役社長 兼 アジアパシフィック プレジデントである飯田晴祥氏は「2014年度第2四半期までの12カ月間における地域別売上では、日本市場が全体の26%を占める。業種別では、金融や製造、小売り、ヘルスケアなどが中心になっている」と自社の現状を説明する。その上で「今後はクラウド環境でも利用できる無停止型製品/サービスを提供することで、業界標準(デフェクトスタンダード)の地位を確立したい」と語る(図1)。
“Always-On”をソフトウェアで実現するSDA
Stratus Technologiesの副社長 兼 Chief Marketing Officerであるナイジェル・ダッソー氏は「仮想化技術をベースにするクラウド環境へとITプラットフォームが進化したことで、インフラのみならずその上で稼働する業務アプリケーションの可用性を適正化することが求められている」と説明する。こうしたニーズに応える手段がSDAだ。
SDAとは、システム停止の防止や復旧の要否をハードウェアレベルではなくソフトウェアレベルで判断し、インフラおよび業務アプリケーション(ワークロード)の可用性向上を支援することを目的とした構想だ。具体的には、組織のポリシーに基づき、仮想マシンごとの可用性レベルを必要に応じて柔軟に変更できるようにする。
SDAの第一弾製品「everRun Enterprise」
ストラタスはSDAに基づく製品の第1弾として、2014年第1四半期に「everRun Enterprise」を提供する予定だ。everRun EnterpriseにはStratus Avance、everRun MXなどが組み込まれており、事業継続性やデータ整合性などを確保する機能、システムやアプリケーションなどを統合監視するサービス機能などで構成される(図2)。
ストラタスの常務執行役員 兼 ソリューションサービス事業本部長である太田安信氏は「既存のアプリケーションを変更することなく導入でき、WindowsとLinuxが混在する仮想化環境の可用性を向上させることもできる」とメリットを説明する。
SDNとの連携で既存システムのクラウド移行を促進
また、今後進むと考えられる基幹システムのクラウド化について、太田氏は「既存の業務アプリケーションを一気にクラウド化することは困難。オンプレミス、パブリック/プライベートクラウドなどが連携して段階的にシステムを移行することになる。その一方で、クラウドの恩恵を享受しつつ、コストを抑えつつベンダーロックインを避けたいというのが多くの企業が抱える課題」と指摘する。
ストラタスはそうした課題の解決方法として、OpenStackをベースとするソフトウェアを2014年第2四半期に提供する予定だ。この製品は、プラットフォームの管理コントロール層、クラウド環境上で稼働する業務アプリケーション(ワークロード)層の可用性を向上させるという。
太田氏は「OpenStackと組み合わせることで、柔軟かつセキュアなクラウド環境の構築を支援する。クラウド環境ではシステムの高可用性とともにセキュアかつ柔軟なネットワークが求められている。そこでボトルネックとなるのが、ミッションクリティカルな要件を満たすネットワークにある」と説明する。
ストラタスは2013年4月、「Software Defined Network」(SDN)によるネットワーク仮想化製品群を提供するACCESSとの協業を発表している。ACCESSの取締役副社長執行役員 兼 最高執行責任者(COO)である楢崎浩一氏は「SDNが今後多くの企業で採用されるためには、SDAと連携した信頼性のあるクラウド基盤を提供することが重要だ」と両社の協業の意義を説明する。
両社は今後、ACCESSの子会社であるストラトスフィアが開発したSDN製品群「ACCESS SDN Solutions」とストラタスの製品を連携させることで、企業における本格的なクラウド活用や、基幹業務アプリケーションの書き換えなしでのクラウド環境への移行を支援していく(図3)。
ストラタスは既にパートナー企業向けにOpenStack対応ソフトウェアのβ版を提供している(同社のWebサイトから申し込み可能)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
人間のせいでAIエージェントの生産性が上がらない
-
4
BMWも導入 78兆円市場に化ける「フィジカルAI」の衝撃
-
5
AI導入後に発覚する「社内文書を読めない」問題 情シスは何を直せばいい?
-
6
個人の業務効率化で終わる企業の盲点 AIで成果を出す「上位6%」の手法
-
7
【基本情報技術者試験】なぜ複数アプリが同時に動く? OSの「マルチタスク」の仕組み
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
10
「しろたん」のクリエイティブヨーコがGoogle Workspaceを選んだ理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー