「GPU偏重」はなぜ失敗するのか

NVIDIA「一強体制」の終わりか データセンターを襲う“電力の壁”

推論処理の需要拡大と電力不足を背景に、データセンターはNVIDIAへの依存から脱却しつつある。ギガワット級の施設すら電力不足に直面する中、事態を打開する新たな一手とは何か。

 AI分野でのNVIDIAの姿勢は、まさに「力業」(物量作戦)の具現化だ。データセンターに電力を注ぎ込み、物理エネルギーを力ずくでトークンに変換する。同社の高性能なGPU(グラフィックス処理装置)による計算を経れば、企業やサービス事業者が求めるどのような結果でも強引に導き出せる。

 それ故に、企業や国家のAI開発競争の勝利を示す指標が、データセンターに配備した電力容量で測られるようになったのも無理はない。この状況は、単位面積当たりの電力密度の極限までの上昇と、かつてない発熱量の増大を意味している。

 こうした構造が、近年のデータセンターの設計方針を決定づけてきた。施設の立地は電力需要に左右される。送電網を利用できる古い工業用地を再利用したり、安価で豊富な水力発電が利用できる北欧に拠点を構えたり、独自の発電設備を備えた広大な新規の用地を開拓したりといった具合だ。施設内では受変電設備が占有する面積が肥大化し、AIサーバを冷やすための水冷式冷却システムが不可欠になった。これらの動きが、IT機器を配置しない受変電・空調区画「非IT設備領域」(グレースペース)の割合を押し上げている。

 今後もNVIDIAの製品ロードマップがデータセンター設計の標準であり続けるのか。データセンターの在り方が多様化する予兆は、すでに随所に現れ始めている。

GPUの陰に隠れていたCPUの復権

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