AI時代に迎える空冷システムの限界【前編】

迫る“データセンターの危機” 「液冷」への移行は避けられないのか?

AI技術の進化によってハードウェアが発する熱はかつてないレベルに達しており、従来の空冷データセンターの設計は時代遅れになりつつある。Schneider Electricが指摘する、インフラに待ち受ける過酷な現実とは。

 AI処理におけるGPU(グラフィックス処理装置)の膨大な電力と冷却の要件によって、チップを直接(D2C:Direct-to-Chip)冷却する液冷方式の導入が不可欠になりつつある。この変化は、従来のデータセンターからAIファクトリーへの移行を促している。

 こうした潮流によるデータセンター業界への影響は大きい。自社でデータセンターを構築するための費用や手間が企業の能力を超えて増大するため、オンプレミスデータセンターの終わりを招くのではないかともささやかれている。

 Schneider Electricが2026年5月に開催したイベントでは、データセンター業界関係者が目前に迫る業界の未来について議論を交わした。本記事は、GPUの劇的な性能向上がもたらすインフラ設計の変革、それが電力網や水の使用量に与える影響を読み解く。かつて栄えた重工業地帯(ラストベルト)が広大な土地と豊富な電力を生かして最新のAIファクトリーへと生まれ変わっていく様子とはどのようなものか。

AIがデータセンターの常識を変える

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