旧式のインフラがAI活用を阻む

AI完全自律化はわずか9% 日本は「進化に追い付けない経営陣」が足かせに

企業のAI活用成熟度が回復傾向にある一方で、旧式システムに新技術を継ぎはぎする事態が起きている。先進的な企業と、システム連携に行き詰まる企業の決定的な差はどこにあるのか。

 深刻化する人手不足や市場変化への適応のために、企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環としてAIツールの業務活用を急いでいる。しかし、大半の企業が単一の定型作業を置き換える段階にとどまっており、部門をまたぐ複雑な業務プロセスの効率化には至っていないのが実情だ。経営陣が先行して先端技術への投資を拡大させる一方で、現場でそれを支えるデータ基盤やインフラの整備が追い付いていないというギャップが深刻化している。

 ServiceNow Japanは、企業のAI活用状況を分析した調査報告書「Enterprise AI Maturity Index 2026」日本語版を公開した。本報告書によると、世界各国の企業のAI成熟度スコアは100点満点中51点となり、落ち込んでいた2025年の35点から16ポイントの顕著な回復を見せた。自律的にタスクを処理するAIエージェントを導入している企業の割合は59%へと急増しており、30%の企業が試験運用段階にあるなど、投資意欲の高さが数字として表れている。

 しかし、AIエージェントを複数のシステムを連携させて完全な自律型ワークフローとして構築し、運用レベルに落とし込めている企業は全体の9%に過ぎないことが明らかになった。大半の企業は、定型作業を処理するためのツールとしてAIツールを使うだけにとどまっている。

 大半の企業が行き詰まる「9%の壁」を突破し、企業全体でのAI活用を軌道に乗せている企業群は、どのような構造改革を進めているのか。

意欲は本物でも実行力が伴わない

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