ナデラ氏の対応は?
Microsoftを追い詰めるApple-IBM連合の脅威
IBMはAppleと提携することで、業界に特化した統合アプリケーションを「iOS」向けに開発するとみられている。この無視できない事態に、Microsoftは対応を迫られている。
米AppleのiOSは米Googleの「Android」に市場シェアを奪われつつある。また、以前Computer Weeklyが報告したように、ハイエンドタブレットやスマートフォンの市場も頭打ち状態だ。米IBMは、モバイルデバイス管理の米Fiberlinkとクラウド管理の米SoftLayerを買収し、開発者向けクラウドの「Bluemix」をリリースした。そのIBMと提携することで、AppleにはエンタープライズITへの道筋が開けた。
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一方、エンタープライズITは米Microsoftが「Enterprise Mobility Suite」のターゲットに定めようとしている分野だ。同社CEOのサトヤ・ナデラ氏はその戦略について、デバイスの多様性を軸に説明した。ここでMicrosoftとApple+IBM陣営が衝突することになる。
「AppleとIBMの提携は、Microsoft AzureとNokiaを戦略の中心に据えるMicrosoftにとって脅威となる」と話すのは英Warwick Business Schoolのマーク・スキルトン教授だ。「Microsoftは、モバイル分野とクラウド分野の両方に挑んでいるが、コンシューマー市場でもエンタープライズ市場でも優位には立てないだろう。先日、米Amazonは電子書籍リーダーに続き独自のモバイルデバイスをリリースした。しかし、米Facebookがモバイル参入に失敗したように、これらの企業にとっての課題はコンシューマー市場だけでなくエンタープライズ市場向けにも優れたサービスやコンテンツを作成できるかどうかだ」
これまでMicrosoftのCEOは、デバイスとクラウドコンピューティングに全面的に特化しているエンタープライズIT企業はないという考えに基づき、新生Microsoftの構想を打ち出した。MicrosoftにはIBMへの対応策が必要なのは間違いない。
ナデラ氏は、Worldwide Partner Conference(WPC)2014で自社のクラウド戦略に関する見解を示した。また、MicrosoftはNokiaをMicrosoft製品ファミリーに統合する方法も模索している。
デバイス面では、NokiaのAndroidフォンをWindowsフォンに変える。これについて、ナデラ氏は次のように話している。「洗練されたNokia X製品のデザインをWindows PhoneのLumia製品に移し変えることを予定している」
今後を担うクラウド
ナデラ氏はWPCで、「デバイスとサービスの企業」の次の段階として、クラウドコンピューティングを重視する方針を述べた。
WPCの基調講演で同氏は次のように語った。「大きなチャンスが到来している。全世界の地理的/政治的な実情や規制制度に対応した上、ハイパースケールの経済効果を提供するエンタープライズ級のインフラストラクチャを構築するのはMicrosoftしかない。プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドなど、企業の複雑なコンピューティングニーズ全てに対してデータセンターバックプレーンを提供できるのがMicrosoftだ」
これは大規模な組織改革に結び付き、今後12カ月で1万8000人の人員削減が行われる。ナデラ氏はMicrosoftのエンジニアリングプロセスの近代化と、管理階層の数を減らすことを望んでいるようだ。
同氏はさらに次のように続けた。「今Microsoftがあるのは、好機の判断や次期プラットフォームの構想に成功したからだけではなく、Microsoft自体が変化したからでもある。当社は、根本的な組織の在り方、働き方、顧客に提供する価値などを変えてきた。これは本当に骨が折れる作業だが、企業文化の変化は大胆に推し進めなければならない。当社がこの取り組みを成功させ、顧客を獲得するには、1回限りの変化ではなく、継続的な刷新を重ねる必要がある」
また、インフラストラクチャバックプレーンの考え方についても「このエコシステムが市場にもたらす最大のメリットの1つ」と語った。
Microsoftは1990年代、Windows上に独自の製品を作成できる共通のプログラミングモデルをサードパーティー開発者、PCメーカー、サービスプロバイダーに提供することで、Windowsエコシステムを成長させてきた。
次のデスクトップWindows
現在、オンプレミス、プライベートクラウドやパブリッククラウドの展開全般にわたってMicrosoftの新しいサーバサイドコンピューティングエコシステムの土台となっているのがMicrosoft Azureだ。MicrosoftはデスクトップOSの開発に取り組んではいるが、デバイス多様性戦略においてはデスクトップWindowsの重要性は小さくなっている。
米Dell、米HP、台湾Acer、中国Lenovoなどの主要ハードウェアパートナーがWindowsタブレット、ノートPC、ハイブリッドPCなどを販売しながら同時にAndroidタブレットも販売していることから、Windowsはかつてのような金のなる木ではないとMicrosoftも認めているようだ。
ナデラ氏は次のように話した。
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