電源操作を無効化する「休眠マルウェア」も登場か
電源オフだと見せ掛けて“盗撮” Androidに新たな不正アプリの可能性
画面を暗くして電源オフを装い、こっそりとカメラを起動して撮影する――。Androidには、そんな不正アプリを実現可能な不具合があることを専門家が実証した。その脅威に迫る。
スマートフォンは本当に、電源を切っていても被害に遭うことがあるのだろうか。電源を落とした状態で、写真や動画を撮影できるスマートフォンアプリケーションがあるという。こうした事態はどうすれば防げるのか。
端末の電源が入った状態で、カメラやマイクをひそかに起動できるスマートフォンアプリはたくさんある。だが電源が完全に落ちていれば、スマートフォンのこうした機能は使えない。だが最近のスマートフォンは、電源を落としても完全にオフになっているかどうかが分かりにくくなっている。
電源オフを装ってカメラを起動
スマートフォンなどのスマートデバイスでは、バックグラウンドでプロセッサの一部の要素がまだ動作していても、OSは終了しているように見えることもある。例えば、米Googleの「Google Glass」を狙った機能実証用のスパイウェアは、画面をオフにしていても10秒ごとに写真を撮ってアップロードできる。ユーザーはアップロードしたことに全く気付かない。
研究者のザイモン・サイダー氏がデモで、スマートフォンの画面をオフにしていても、Googleの「Android」用アプリで写真とビデオが撮影できることを実証している。
Androidでは、画面にビューファインダーのプレビューを表示しなければカメラでの撮影はできない仕組みを持つ。だがサイダー氏は、プレビューを1×1ピクセルと極端に小さくすることで(最新機種の画面は1インチ当たり400ピクセルを超えている)、実質的に目に見えなくしてこの条件をかわした。この1ピクセルのプレビューで、「画面はオフになっている」とユーザーに思わせておき、アプリで写真を撮ることを可能にしたのだ。Googleはこの抜け穴をふさぐ必要がある。
この種の不正アプリを避けるためには、アプリを正規のアプリストアからのみダウンロードして、不要なアクセスを要求するアプリを避けなければならない。例えば、ネットワーク接続を要求する電卓、連絡先情報へのアクセスを要求するアラーム時計などには、特に注意が必要だ。
スマートフォンはパワフルなコンピューティングデバイスであり、それなりの防御を必要とする。従って、マルウェア感染防止、リモート操作によるデータ消去、アプリのプライバシー検査などの機能を持ったマルウェア対策プログラムを使うよう心掛けたい。
幸いなことに、スマートフォンの電源を完全に落とせば、不正なアプリは機能できなくなる。こうした不正アプリがひそかにデバイスの電源を入れることはできない。ただし、悪質なコードを使って電源のオン/オフ操作が正しくできないようにして端末を休眠状態に置き、この過程で画面のスイッチを切って、ユーザーには電源が落ちていると思わせることも、技術的には可能だ。
スマートフォンを長期間休眠させることのできるマルウェアはまだ出回ってはいないものの、こうした「休眠マルウェア」が投げ掛ける脅威を侮ってはいけない。今この時も、オン/オフのコマンドを傍受してスマートフォンをひそかに休眠モードに置くことのできる方法を、情報機関やサイバー犯罪集団が開発しているかもしれない。
電源を落としたスマートフォンも、パスワードロックを設定していなければ、仮に盗まれたときには企業のセキュリティを脅かすリスクになり得る。盗んだ相手はそのスマートフォンに保存された全てのデータに簡単にアクセスできる。スマートフォンに保存する情報は暗号化して、リモート操作で消去できる機能を設定しておかなければならない。
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