ユーザーができる対策とは?
iPhoneも危険、タッチ操作を外部送信する“モバイルキーロガー”の恐怖
“モバイルキーロガー”の登場を予想させる実証コードが脚光を浴びている。タッチスクリーン端末を攻撃から守るための対策について、専門家が解説する。
iOS端末で画面上のタッチを記録できてしまう脆弱性が最近になって報告された。なぜそのようなことができるのか、攻撃から身を守るためにはどんな対策を講じるべきなのか。この問題は他のプラットフォームにも存在するのだろうか。
コンピュータのユーザーが押したキーボードのキーを記録するキーロガーソフトウェアは、デスクトップマルウェアでは一般的なコンポーネントだ。しかし、PCやスマートフォン、タブレットのタッチスクリーンに入力された文字を読み取るためには全く異なるアプローチが必要になる。
「iOS 7」のバックグラウンドで動作可能
デスクトップコンピュータは大半がハードウェアベースのキーボードとマウスを使ってユーザーが入力した内容を受け取るのに対し、スマートフォンは画面上のタッチを解釈することによって入力内容を受け取っている。タッチ対応画面を搭載した端末のモバイルOSは画面上の全タッチを継続的にモニターして、スワイプ、ピンチ、タップといったユーザーのコマンドを認識する。画面上のイメージマップは従来型のキーボードを再現するために使われている。従って、モバイルキーロガーでユーザーが入力した内容を推定するためには、画面上でユーザーがタッチした場所のX座標とY座標およびスクリーンショットを手に入れる必要がある。
画面上のタッチを記録して正確に解釈する攻撃は非常に複雑だ。だがセキュリティベンダー米FireEyeの研究者は、「iOS 7」のバックグラウンドで動作して、ユーザーのタッチや長押しなどを全て監視・記録できる概念実証(POC)アプリケーションを開発した。このアプリケーションでは、画面のタッチ、ホームボタンやボリュームボタンを押すといった動作や、「iPhone」に搭載されている米Appleの指紋認識機能「Touch ID」をキャプチャーできる。しかも、脱獄させていないiOS端末でも実行でき、不正に入手したデータをリモートのサーバに送信できる。
この攻撃手段はまだユーザーに対して大規模攻撃を仕掛けられるレベルには程遠い。だが、キー入力から入手できる情報は膨大だ。もし労力が報われると思えば、動機を持つ攻撃者が特定の組織内の相手を標的にすることもあり得る。Appleもこの脆弱性と悪用技術については認識しており、いずれ問題は修正されるだろう。だがそれまでの間、こうした攻撃を防ぐための最善の対策は、まず第1にユーザーの端末に不正なアプリが侵入しないようにすることだ。そのためには評判の良いアプリしかインストールしないようにしなければならない。企業の場合は、独自のアプリストアを開設し、モバイルデバイス管理(MDM)製品を導入すれば、セキュリティポリシー基準を満たした審査済みのアプリのみが従業員のモバイル端末で使われるだろう。
セキュリティ対策についての研修では、電子メールで無料アプリをインストールできるとうたったリンク、特に音楽を再生するリンクは決してクリックしてはならないと強調する必要がある。音楽再生ソフトを装ったアプリが特に危険なのは、タッチを監視するためにはバックグラウンドでコードを実行する必要があるためだ。アプリのバックグラウンドリフレッシュ機能を無効にすればバックグラウンドでの監視は防止できる。だがバックグラウンドで音楽を再生するアプリは、このオプションを迂回できる。
ユーザーはまた、タスクマネジャーを使って不要なアプリや不審なアプリがバックグラウンドで動作していないかどうかチェックする方法も知っておく必要がある。iPhoneや「iPad」の動作が遅くなったり、バッテリーの消耗が普通以上に早くなったりした場合は要注意だ。企業のネットワークでは、ネットワークから出ていくトラフィックを積極的に監視し、トラフィックの異常パターンを検出してマルウェアに感染したモバイル端末を洗い出すことにより、会社のデータを保護できる。
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