Computer Weekly製品導入ガイド
カスタマーエクスペリエンス向上のためにCIOが取るべき5つの行動
IT職のアップグレード、指標の修正、構造改革、社内から社外への文化的シフトなどの行動が求められる。
Forrester Researchのカスタマーエクスペリエンス(CX)指標は、カスタマーエクスペリエンスの質と顧客の忠誠心に与える影響について、世界18市場の18業界で900を超すブランドを測定し、ランキングしたものである。
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IT部門はどうすれば自分たちのスコアを伸ばせるのか。それを検証するために、Forresterの過去のCX指標調査を検証し、スコアを大きく伸ばした米UnitedHealthcare、米Home Depot、米Dellの3社のIT管理責任者にインタビューした。
鍵を握る行動
今回の調査によると、カスタマーエクスペリエンスの向上を望むCIOが取るべき行動は以下の通りだ。
- 測定値へのカスタマーエクスペリエンスの反映
- 顧客に照準を絞った技術管理職の追加
- 顧客指向のチーム創設
- 顧客を重視する社風の醸成
- ローカルよりもグローバルに重点を置く
技術管理は、単純にスケジュールと予算に合わせたシステム構築や導入に比べ、多くの点でカスタマーエクスペリエンスに貢献できる。インタビューを通して得られた情報や、顧客指向の事業転換について検証した結果に基づき、われわれはカスタマーエクスペリエンスの向上に欠かせない技術管理行動をリストアップした。それには複数のIT職のアップグレード、指標の変更、ある程度の構造的変化、社内から社外への文化的シフトが含まれる。
従来の技術指標も依然として有効だが、技術管理はIT部門で特定のカスタマーエクスペリエンス指標を追加し、検証する必要がある。
例えば、UnitedHealthcareは顧客にアンケートを実施して信頼度やつながり意識、常連度や愛着を測っている。これを基に、例えば顧客が同社のWebサイトを使う際に必要な労力など、15~25の要素についてランク付けを行う。そのデータを行動に結び付けやすくするため、UnitedHealthcareは全体的なエクスペリエンスに加え、こうした顧客に与える影響の測定に一定の予算を付けている。
Home DepotのIT部門も同様に、毎週月曜の朝、顧客満足度のスコアをチェックする。オンライン&モバイル技術担当副社長のナビーン・クリシナ氏は、「満足度スコアが低下した場合は重大事と見なし、人々が行動する」と話す。
トラブルチケット
Dellは、カスタマートラブルチケットのサンプルを含む、さまざまな測定方法を利用している。顧客へのアンケートでは、ネットプロモータースコアで事業部門を評価する。
われわれが取材した企業は、少数のIT管理の役職が、カスタマーエクスペリエンスの向上に大きな影響を及ぼしていることが分かった。その役職とはアーキテクト、プロセス設計者、データ専門家、技術ストラテジストだった。
例えば、Dellはエンタープライズアーキテクトの焦点を技術アーキテクチャから拡大し、情報アーキテクチャとビジネスアーキテクチャを含めた。同様にUnitedHealthcareは、「UnitedHealthcareのブランドに沿った相互交流とエクスペリエンスの構築および開発のため、エクスペリエンスに重点を置いた戦略的役職を創設した」という。
役職のアップグレード
役職のアップグレードには主に以下の2つの形態がある。
- 顧客に面したシステムに直接的に影響するデザイン、データ、処理要素の比重を増やす
- 市場リーチの拡大やクラウドのような規模の効率向上に不可欠な公的インフラを活用するために必要なシステムの変更を洗い出す
カスタマーエクスペリエンスプロジェクトは一般的に、従来の組織的な障壁や事業部という障壁を横断する。そのため設計の複雑さが増し、政治的、風土的障壁にうまく対応することが求められて、プロセス設計者の負担は増す。
ほとんどの技術管理プロジェクトにいえることだが、取材した企業の責任者は、エクスペリエンスを加速させて変化を促すための適切な役職を組み合わせた仮想あるいは正式チームの利用を強調した。
だがこの場合の目新しさは、そうしたチームで最初から技術管理と事業領域の人材を組み合わせている点にある。例えば、Dellは社内と社外の両方のカスタマーエクスペリエンスを専門とする仮想的なチームを編成した。仮想チームは事業部門と技術部門の管理者で構成され、責任の範囲と手出ししない範囲を明確に定義した。
社風は意思決定の方法や習慣とその影響、行動の早さ、モチベーションなど広範な領域を網羅する。顧客指向文化では、カスタマーエクスペリエンスの向上に対する抵抗を最も少なくする道を追求する。
社風の変化
Home Depotは、顧客のエクスペリエンスが「われわれの全ての行動の前面と中心にある」と説明する。ただしカスタマーエクスペリエンス向上の前に社風が変わるのを待っていられる企業はほとんどない。今すぐ着手することが必要だ。
社風を変えるためには、トップダウンも含めた幅広い継続的な努力が求められる。研修やコーチングで支える必要もある。その実現のためには、望ましい社風とは何か、どんな溝があるのか、ITの各部門にとって何が動機付けになるのかを定義し、上層部の協力を得て、組織として変化を主導しなければならない。
組織内でカスタマーエクスペリエンスを向上させている技術管理部門は、本質的に国際性が高く、あるいはそうなりつつある。Dellが主に重視するのは「組織横断性とチャネル横断性」だという。Home Depotは既に、グローバルなプロセスとシステムを導入済みだ。
リソースの有効活用
われわれが研究した他のビジネス転換プロジェクトは、一貫してその会社に共通する機能やプロセス、システムの割合を増やすことにより、リソースの有効活用を目指していた。
カスタマーエクスペリエンス向上のためには事業分析やモバイル端末、セキュリティ、ユーザー設計のノウハウや、他の得難いスキルを必要とする。高度に分化され、インフラが複雑化した組織では、そうしたリソースを日々の業務対応から解放するのは難しい。
全てのITリソースをグローバル化しろとはいわない。だが、カスタマーエクスペリエンスを向上させている企業は、グローバルな一貫性の向上を目指す傾向が強いのは間違いない。
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