タブレットユーザーが知りたい機能をチェック
徹底レビュー: iPadユーザーも二度見する「Android 6.0」、“microSD内蔵ストレージ化”がすごい(2/2 ページ)
Dozeとアプリスタンバイ
Googleのエンジニアは、バッテリーを節約するための革新的な方法を編み出した。Android 6.0に組み込まれている「Doze」と呼ばれる機能がそれだ。Dozeは、タブレットやスマートフォンがしばらく使用されないタイミングを判断し、その時間帯に端末をスリープモードへ移行する。
Dozeは、非常に多くの端末に組み込まれているモーションセンサーを活用する。つまり、端末がしばらく動かされることがなく、画面がオフになっている場合に、Android 6.0はDoze(居眠り)の時間だと推測するのだ。
最も効果が顕著なのは、ワイヤレスネットワークを停止することだ。この処置により、バックグラウンドで動作するアプリによってリソースが使用されることを防ぐ。ただし、ユーザーが設定したアラームは停止しない。
傍らに置いたまま電源を切っていないタブレットに関しては、Dozeを使用してバッテリー持続時間を延ばすことが可能である。だが、断続的に端末を使用する場合は、再充電が必要になるまでの間隔が延びることはない。
断続的な端末使用時でも、「アプリスタンバイ」を使用すれば、再充電の間隔が延ばせる可能性がある。アプリスタンバイの目的は、バックグラウンドで実行中のアプリが不必要にシステムリソースを消費するのを防ぐことだ。適切に開発されたアプリであれば、既に同様の配慮をしているだろう。だが実際には、全てのアプリが適切に開発されているわけではない。
実行したまま長いこと利用されていないバックグラウンドアプリは、アプリスタンバイの状態になる。スタンバイ状態になったアプリは、ワイヤレスネットワークとほぼ全てのシステムリソースへアクセスできなくなる。
設定を変更するには、「設定」「電池」の順にタップして右上のメニューを開き、「電池の最適化」をタップする。この画面にアプリスタンバイの適用候補となるアプリの一覧が表示される。この一覧で、ユーザーはスタンバイ状態にしたくないアプリを指定できる。
全体的な安定
Googleによると、同社はAndroid 6.0をこれまでのバージョンよりも安定させることに尽力したという。これについては長い期間使用してみないことには分からない。米TechTargetが実施したテストでは、Android 6.0がクラッシュする可能性は以前のバージョンよりも低かったように感じられた。とはいえ、それでもクラッシュが発生しないわけではない。
ドロワー
Android 6.0では、インストール済みのアプリが全て表示されるウィンドウ(ドロワー)に、幾つかの改良が加えられている。中でも注目すべきは、スクロールダウンできる単一のウィンドウに、アプリがアルファベット順で表示されるようになったことだ。以前のバージョンのAndroidではウィンドウが複数に分割され、水平方向にスクロールしなければならなかった。
この一覧の上には使用頻度の高いアプリのアイコンが表示される。そのさらに上には検索ボックスが配置されている。いずれの機能も、タブレットに多数のアプリをインストールしているユーザーにとって時間の節約になるだろう。例えば、ゲームアプリの「Solitaire」(ソリティア)を探すとしよう。多数のタイトルの中から「Solitaire」を求めて手動で一覧をスクロールし、実際には「Deluxe Solitaire」という名前が付けられていることを思い出して慌てる必要はない。検索ボックスに「sol」と入力し始めるだけで、探しているゲームが表示される。
ドロワーのこうした変更は劇的とはいえないものの、歓迎すべきものだ。ドロワーを使用する機会の多さを考えれば特にそうだろう。
アプリのバックアップ
Googleは、サードパーティー製アプリのデータをクラウドへバックアップする機能を強化している。そのため、アプリを再インストールしたときに元の状態に戻せるようにしている。この機能は開発者が自分のアプリに組み込む必要がある。いったん実装すれば、このバックアップ機能によってGoogleの「Googleドライブ」に25Gバイトの無料スペースが各アプリに割り当てられ、アプリのバックアップ情報を保存できる。
この機能がなければ多くの場合、バックアップからリストアすると、ユーザー自身のデータが保存されていない状態でサードパーティーアプリを再インストールすることになる。
USBメモリ
USBメモリを使用する機能は、Androidタブレットで恐らく十分に活用されていないだろう。この機能はHTCのNexus 9のように、microSDカードスロットを搭載していなモデルでは特に重宝する可能性がある。
Android 6.0では、USBメモリ関連の機能が強化されており、便利なUSBメモリを活用するユーザー数は増加することになるだろう。具体的には、USBメモリが接続されると、Android 6.0はファイルブラウザを開いてドライブの中身を表示する。このファイルブラウザには必要最低限の機能しか用意されていないものの、USBメモリにあるファイルやフォルダを表示でき、それらのデータを内蔵ストレージやGoogleドライブへ移動できる。ファイルの削除も可能だ。
ただし、この簡易ファイルブラウザではファイル名の変更ができない。こうした機能を使用するには、英ES Globalが開発した優秀な無料アプリ「ESファイルエクスプローラー」のように、多機能なファイルブラウザが必要だ。
このファイルブラウザ機能は、タブレットにフルサイズのUSB端子が搭載されていなくても活用できる。USBメモリには、Micro-USB端子と標準のUSB端子の両方に対応したものも幾つか存在する。このようなUSBメモリは米Kingston TechnologyやシンガポールStrontium Technologyのような企業が開発しており、ノートPCとタブレットの間でファイルをやりとりするのにとても便利だ。
先述の機能でmicroSDカードを内蔵ストレージ化しているユーザーは、microSDカードを追加の外部ストレージとして使用できないことから、USBメモリの必要性を感じるようになるかもしれない。
アクセス権限
これまでのAndroidでは、アプリはインストール時に必要な全ての権限を求めていた。Android 6.0では、実際に処理で権限が必要なときに初めてアプリが権限を求めるようにしている。この仕組みは合理的であり、不正行為の減少につながるはずだ。
ユーザーは、新しいアプリをインストールするときには特別注意を払わず、全ての確認事項に対して「承認」をタップしてしまいがちである。だが、ゲームが明確な理由もなく連絡先へのアクセス権限を突然求めてきたなら、ユーザーは「何かがおかしい」と警戒を強めるだろう。
さらに良い点は、アプリによる機能へのアクセスを拒否しても、ユーザーはアプリを使い続けることができることだ。例えば、あるカメラアプリが位置データへのアクセスを求めてきたものの、ユーザーは写真にGPSデータを記録するつもりがないとする。その場合、GPSデータへのアクセス権限を拒否した上で、写真撮影を続行できる。後になってGPSデータを写真に埋め込もうとした場合、ユーザーにはそれができない詳しい理由と、この機能を有効にするオプションが提示される。
この機能も、サードパーティー開発者が自分のアプリに実装しなくてはならない。この機能を実装しなければ、アプリはこれまでと同じように動作する。つまり、権限について融通が利かないということだ。アプリがある機能にアクセスすることをユーザーが拒否した場合、アプリ自体をインストールできない。
カット、コピー、ペースト
Googleは、テキストの選択時に「カット」「コピー」「ペースト」のポップアップが表示される場所を変更した。以前は常に画面上部に表示されていたが、Android 6.0では選択したテキストの隣に表示されるようになっている。これも大きな変更ではないが、歓迎されるものだろう。新しい位置の方が直感的に使いやすい。
ハードウェア特有の変更
Android 6.0では、USBの新規格「USB Type-C」が利用可能になる。USB Type-Cは、再充電時間とデータ転送時間が高速化されている。Micro-USB端子を搭載している現行モデルについては何も変わらない。だが市場で新しい端末を求めているユーザーは、認識しておくとよいだろう。2016年に購入予定のタブレットにUSB Type-Cが搭載されていない場合は、そのタブレットの購入についてよく考えることをお勧めする。
Googleは生体認証機能もAndroid 6.0に組み込んでいる。これもやはり、既に所有しているタブレットに生体認証装置が搭載されていないのであれば、大して役に立たない。だが今後、生態認証が利用可能な端末を求めるユーザーの背中を押すことになるはずだ。
さらには、4K(3840ピクセル×2160ピクセル)ディスプレイのサポートも追加されている。
Android 6.0には、歓迎されるであろう改善が幾つか加えられている。特に、拡張可能なストレージと再設計されたアプリドロワーは歓迎されるだろう。ごちゃごちゃしていたユーザーインタフェースを少し整理して、OS全体の安定化を図ったGoogleの取り組みも喜ばしいものである。
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